オッケーはいただいたのですが、ただ原作がまだ終わってなかったんです。歴史的に見ると、戦艦大和は建造されているわけなので、結局主人公たちにとっては負け戦となるわけじゃないですか。
そこで、どうやって彼らが腹に落ちた状態になり、戦艦大和を作るに至ったのか。そういう物語にするための、風呂敷のたたみ方が、原作的にはまだ描かれていないんですよ。だからやることが決まった後に、「どうすればいいのか」と悩みはしました。
――本作の公開が7月26日。それから1週間後の8月2日には、総監督・脚本を担当したCGアニメ映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が公開されます。スケジュール的にかなり大変だったのでは?
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』はずいぶん前から仕込んでおり、何年もかけて作ってきた作品。八木竜一、花房真という2人の監督が現場をまわしてくれたので、僕は主に立ち上げのときに働いた形です。
一方、『アルキメデスの大戦』は、ここ1年半くらいの短い期間にギュッと作った映画です。ものすごく大変だったという状況ではありませんでしたが、冬に公開される予定のフルCGアニメ映画『ルパン三世 THE FIRST』を何年も前から作っていました。結果的に今年は公開作が3本あるんです。
5~6本の企画が同時進行している
――『ルパン三世 THE FIRST』も最初に仕込んで、スタッフに任せた、という感じですか。
こちらは僕が監督を務めているので、もう少しガッツリやっています。今回は(自身が所属する)白組ではなく、マーザ・アニメーションプラネットという別の会社が制作しています。CGアニメを作るのは時間がかかるので、もう1つ別の制作ラインがあるとよいなと思っていたときマーザさんから話をいただいたのがきっかけですが、そのせいでとても大変な思いをしております(笑)。
――通常、企画はどれくらい同時に進行しているものなのでしょうか。
やはり3年くらい先の公開作品の企画を今のうちから仕込んでおかないと大変なことになります。そもそも次々と企画を立ち上げないと、自分の性には合わない。だから今は、次のCG映画と、さらにその次のCG映画と、実写映画をやっています。だいたい5~6本の企画が同時進行していますね。
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