沖縄の映画館では行列ができるほどの人気
──新作『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』でインパクトがあるのは1972年、沖縄返還をめぐる国会論戦です。佐藤栄作首相(当時)を相手に、瀬長亀次郎がトツトツと、決して流暢なしゃべりと言えないけれども、聞くものを引きつける話し方をされています。
今の政治家はしゃにむに攻め立てるタイプが多いのに対して、理詰めで、佐藤首相も瀬長さんの話をじっと聞いている。ふたりのやり取りに見入ってしまいました。映画の中では10分以上、当時のニュース映像を使われていると思いますが、これが長いと感じることなく、まだ見ていたいと思わせるんですね。
あれは12分くらいでしたね。1971年12月4日の衆議院沖縄北方問題特別委員会で、亀次郎さんが質疑に立ったときの一部、議事録では1時間以上あったものです。それがなぜ12分かというと、うち(TBS)に残されていた素材がほぼあの形だったんです。
当時の福田赳夫外務大臣や江崎真澄防衛庁長官など関連閣僚が入れ替わり立ち代り質問に答え、答えをはぐらかそうとするものもある中で、亀次郎さんのボルテージが上がり、「では、佐藤総理に」と質問したのが、あのやり取りなんです。
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