“場所”を描くのが上手い作家だと思っていた
――『楽園』を拝見して、これまで「犯罪」をモチーフにした作品を多く発表してきた吉田修一さんと瀬々監督というお二人の相性の良さを感じたのですが。
相性というよりも、前々から吉田さんの本は読んでいましたし、ファンだったんですよ。犯罪に絡んだ小説を書かれているという意味もありますけど、それだけではありません。
つねづね、吉田さんは“場所”を描くのがうまいとずっと思っていたんです。例えば『悪人』だと、都会と田舎との移動があり。その中で犯罪が行われる。“場所”が重要なポイントになっている。
『平成猿蟹合戦図』も、歌舞伎町のホストが東北の田舎に帰って議員になるということで、それもやっぱり“場所”の移動がある。『さよなら渓谷』も、いわゆる東京近郊を舞台にした犯罪ということで、“場所”が重要になっている。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら