木村拓哉、二宮和也という二大スターの初共演が話題となっている映画『検察側の罪人』が公開中だ。司法制度が抱える問題点に鋭く切り込みながら、「正義とは何か」という命題を問いかける本作。都内で発生した強盗殺人事件の被疑者に対する捜査方針をめぐって、2人の検事が対立する。
法で裁けない罪人は、罰を免れ許されるのか――。そこに鋭く迫った社会派ミステリーとなっている。メガホンを取ったのは、『わが母の記』『日本のいちばん長い日』『関ヶ原』の原田眞人監督。そこで今回は原田監督に、木村、二宮という2人のスター俳優と仕事をしてみた印象を聞いた。
単なるスター映画だったらやらなかった
――これまで多くの社会派映画を手掛けてきた原田監督が、木村拓哉、二宮和也というジャニーズの2大スターを迎えたところにこの作品の面白さを感じるのですが、スター映画を撮るという命題と、ご自身の作家性とのバランスはどのように考えたのでしょうか。
そんなことはまったく考えなかったですね。僕は始めから木村さんもニノ(二宮和也)も役者として興味があったんです。
そもそも東宝さんから「2人の共演企画はどうですか?」と言われて、それが単なるスター映画の企画だったら、たぶんやらなかったと思う。その時に「われわれがいいと思っている題材はこれです」と言われたのが、『検察側の罪人』でした。彼らに演技者としての資質を求めていることもわかったので、お受けすることにしました。僕自身も犯罪映画をやりたかったということもありましたし。
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