――この映画が生まれたきっかけは2015年のパリ同時多発テロだったそうですね。
ナカシュ:あの事件には、僕たち自身もすごく心を痛めました。でもテロリストの狙いは僕らが意気消沈すること。だから僕たちはうつむくのではなく、しっかりと顔を上げて笑わなければ、と思ったんです。社会的な問題はたくさんあるが、それでもみんなが手を取り合えばきっと乗り越えられる。そんなメッセージを送りたいと思ったんです。
夜中まで仕事に密着して本音を引き出した
――この映画では、結婚式の裏側を舞台としていますが、念入りにリサーチをされたのでしょうか。
トレダノ:僕たちはジャーナリストと一緒で、興味があるテーマがあれば、まず調査から始めます。今回もケータリングのオーガナイザーにお願いして、仕事にひと晩、同行させてほしいとお願いしたんです。夜から朝方までずっと一緒にいたんですけど、だいたい朝の3時過ぎになると彼らの本音が出てくるんですね。
それまでは聞かせてもらえなかったようなことをね。厨房で非常事態があったときは、「パイを出す」とか。劇中同様、当局の調査官が突然訪れたりするとか。この映画に出てくるエピソードは深夜に聞いたものが多かったですね。
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