ホームレスがなかなか口に出せない家族事情

ふとしたことで意外と簡単に壊れて戻らない

ホームレス生活をしている人々の家族はどうしているのだろうか?(筆者撮影)
ホームレス。いわゆる路上生活をしている人たちを指す言葉だ。貧富の格差が広がる先進国において、最貧困層と言ってもいい。厚生労働省の調査によると日本のホームレスは年々減少傾向にあるものの、2018年1月時点で4977人(うち女性は177人)もいる。そんなホームレスたちがなぜ路上生活をするようになったのか。その胸の内には何があるのか。ホームレスを長年取材してきた筆者がルポでその実態に迫る連載の第11回。

感情的な反応が多いのは、過去や家族の話

ホームレスの人への取材は基本的に出たとこ勝負である。彼らが生活する場所に出向いて話しかける。もちろん、けんもほろろに断られることもあるが、いぶかしみながらも話をしてくれる人も多い。空き缶集めのこと、炊き出しのこと、など最近の出来事は聞きやすい。前職や若い時分の話など過去に話題が及ぶと、話したがらない人も多くなる。

そしてやはりいちばん聞きづらいのは家族の話だ。家族の話題になると、急に黙ってしまったり、怒ってしまったりする人もいる。

この連載の一覧はこちら

それでも話をしてくれる人もいたが、もう何年も会っていない人が多かった。

野宿生活をしている人は高齢の人が多いので、すでに両親は亡くなっている場合が大半のはずだが、ずっと会っていないので、

「亡くなったかどうかもわからない」

という人も多かった。

次ページ高田馬場で聞いた50代男性の家族の話
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • コロナ戦争を読み解く
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 西村直人の乗り物見聞録
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。