「車輪」がこんなにも奥深いと知っていますか この蘊蓄100章は思わず人に話したくなる

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人類の最も重要な発明の1つ「車輪」は、いつ、どのようにつくられ、広がったのでしょうか?(写真:DenysProduction/PIXTA)  
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「車輪」。意外と知らない基本中の基本から、あまり知られていない逸話まで。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
この連載の一覧はこちら

01. 車輪は人類黎明期の最も重要な発明の1つ

02. 最初の車輪がいつ、どこで、誰によって発明されたのか正確にはわかっていない

03. 車輪は英語で「Wheel」、フランス語で「Roue」、ドイツ語で「Rad」。原意はいずれも「輪のように丸いもの」という意味を表す

04. 車輪が生まれる前、重いモノは「コロ」と呼ばれる丸太に載せて転がして運んでいた

05. コロの起源は古く新石器時代にまでさかのぼると推察される

06. 車輪の原型は土器を製造するろくろとする説もある

紀元前3000年頃に車輪が発見されている

07. 紀元前3000年頃のチグリス・ユーフラテス河口域のウル遺跡からシュメール人が使った車輪が発見されている

08. 紀元前2600年頃のシュメール人の王族の墓からは四輪車が描かれた遺品も出土している

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09. 原始的な車輪は、半円状の木の板を円形に継ぎ合わせ、その中心に心棒を取り付けたもの

10. やがて木の車輪の外周を動物の皮で覆い、銅の釘で固定するなどの工夫もされた

11. 車輪はメソポタミアから古代ローマに伝わると、戦車のパーツとして強力な武器となった

12. 紀元前1600年頃には古代中国に車輪の技術が伝えられ、殷王朝の王墓から戦車が発掘されている

13. 殷時代の甲骨文字に「車」「軍」という字の原型が見られ、軍は車(戦車)と囲いを示す部首からなると考えられる

14. メソアメリカと呼ばれる中南米で繁栄したアステカ、マヤ、インカといった古代文明では車輪が発明され実用化された痕跡は見つかっていない

15. 2002年にはスロヴェニアのリュブリャナ湿地帯で世界最古となる5200年ほど前の車輪と車軸が発見された

16. 英国では2016年に青銅器時代の遺跡から約3000年前の木製車輪が発掘された

17. 古代ローマ時代に木製の車輪の外周に鉄の輪を焼きはめる画期的な手法が取り入れられ、鉄のタイヤが登場

18. 以降、鉄のタイヤの時代が1900年も続いた

19. ゴム製のタイヤが誕生するのは1835年。鉄の車輪の周りにゴムの輪を付けた「ソリッドタイヤ」と呼ばれるもの

20. このゴム製タイヤは1886年にドイツのダイムラー・ベンツが手がけた世界初のガソリン自動車に使用された

次ページゴムを発見した人は、あの有名な探検家だった
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