デカく重く「車の恐竜化」は止められないのか 今やカローラやシビックさえ3ナンバー車だ
今の乗用車はどんどん大きく、重くなっている。
競合するトヨタ自動車「カローラ」を横目に、「隣のクルマが小さく見えま~す」という強烈なメッセージで2代目の日産自動車「サニー」がデビューしたのは今から50年近く昔、1970年のことだ。
大きさこそがクルマの価値、富の象徴だった当時からはずいぶん進歩したとはいえ、自動車のサイズが年を追うごとに拡大する一方なことに変わりはない。
多くの車が3ナンバー化
最近話題のトヨタ「カローラスポーツ」は、性能も品質も飛躍的に向上したという評判だが、リアの短いハッチバック車ながら4375mmにおよぶ全長は、10年ちょっと前まで作られていた9代目カローラ、つまりトランクを後ろに備えたセダン・ボディとまったく同じである。
より広大な室内空間、パワーユニットの高性能化、衝突安全性の向上など、自動車としての性能をアップグレードしようとすればサイズの拡大は避けて通れないが、デメリットもある。特に困っている人が多いのは車幅だろう。
日本の立体駐車場には全幅1800mm、もしくは1850mmという上限が設けられていることが多く、いまどきのEセグメント以上の高級車では納まらないものも多い。かつては普通車が入っていた住宅街の車庫が、いまでは軽自動車専用になっているのもよく見る光景だ。
日本の自動車業界では全長4700mm(4.7m)、全幅1700mm(1.7m)に収まる乗用車を「5ナンバーサイズ」と呼ぶ。5ナンバーとはたとえば「品川501~」「神戸530~」など、ナンバープレートの登録地域に続く番号。正確にはガソリンエンジンの場合で排気量2000ccを超えると、5ナンバーサイズであっても3ナンバー(「品川301~」「神戸330~」など)で登録されるものの、狭い日本の道路になじみやすい車体サイズとして、ユーザーにも認知されている。
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