ソフトバンクショップ、「過大な景品」のなぜ 販売代理店を追い詰めるキャリアの恐怖政治

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もちろん、携帯キャリア(ここではソフトバンク)が販売代理店を成績によって評価すること自体、ビジネスとして悪いわけではない。しかし、閉店をちらつかせて代理店を追い詰めるようなやり方は、今回判明したように販売店側の法令順守の意識の低下を招きかねない。

これだけキャリア側の締め付けが厳しければ、「法律(に違反する)よりもソフトバンクの方が怖い」と思う代理店があっても不思議ではないだろう。

ソフトバンクは「当社の指示ではない」と回答

こうした販売代理店の販売実態について、ソフトバンクは東洋経済の取材に対し、「当社は総務省のガイドラインに沿って事業を行っている。販売代理店が独自に高額キャッシュバックといった割引施策を行っていることは認識しているが、当社が指示して行われているものではない。販売代理店ごとの割引施策は把握していない」と回答している。

今年の10月からは、改正電気通信事業法とそれに伴う省令改正が施行され、端末と携帯契約をセットにした販売手法自体が禁止される。端末値引きも上限が2万円になる。

これまでの電気通信事業法はキャリアなど通信事業者を対象にしており、販売代理店は対象外だったが、改正法では新たに代理店も対象に加えられる。法改正後は、行き過ぎたキャッシュバックなどが判明すれば、販売代理店も行政処分の対象となる。総務省はこうしたルールの厳格化で、販売代理店の過激なキャッシュバック合戦に歯止めをかけたい考えだ。

だが、いくら規制を厳しくしても、ソフトバンクをはじめとした携帯キャリアの姿勢が変わらなければ、景表法に違反していたショップのように、ルールを確信犯で破るところが出てくる可能性がある。通信業界の真の浄化のためには、キャリアの姿勢そのものも変わる必要がある。

奥田 貫 東洋経済 記者

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おくだ とおる / Toru Okuda

神奈川県横浜市出身。横浜緑ヶ丘高校、早稲田大学法学部卒業後、朝日新聞社に入り経済部で民間企業や省庁などの取材を担当。2018年1月に東洋経済新報社に入社。

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