ソフトバンクショップ、「過大な景品」のなぜ

販売代理店を追い詰めるキャリアの恐怖政治

このとき、契約の取引価額は、iPhone8(64GB)の端末代(8万6400円、税込み、以下同)と2年間の通信携帯契約(総額約18万2348円)を合わせて、26万8748円だった。これに対し、ゲーム機などの景品総額は6万円を超える(JCBのギフトカードは法的には景品扱いにはならない)。

消費者庁は東洋経済の取材に対し、同庁が把握して処分を出していない事案のため、「個別の事案には回答できない」としている。しかし、金額だけをみると、このショップの提案は取引価額の2割以内とした景表法に違反していることになる。

ソフトバンク同士で競い合う、代理店競争の実態

このショップを運営するのは中堅クラスの販売代理店で、全国に店舗網を展開している。7月に取材に応じた同社の担当者は、景表法で定められた上限を超えた景品をつけていた事実を認めた。しかも、「景表法違反だという認識はあった」という。

同社では販売にかかわるスタッフに景表法の教育もしていた。同社は東洋経済の指摘を受けて社内調査を実施。当該ショップの店長は「景表法違反の認識はあったが、それでも数字をあげるためにやってしまった」と答えたという。

同社の担当者は「利益を出すためには販売実績をあげないといけないが、ソフトバンクの相対評価の中での争いは厳しい。ドコモやauの販売店との競争だけでなく、他の代理店のソフトバンクショップにも負けないようにする必要がある」と明かす。

そして、「本来は、お客様の利用シーンを踏まえて機種やプランをお勧めしなければいけないが、そうはいっていられない状況だ」とこぼす。

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