銀座No.1ホステスは「美人ではなくセンス」の人 ビジネスのセンスを磨くコツは「諦めが肝心」

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丸善丸の内本店でのトークイベント。左が内田和成氏、右が楠木建氏。(撮影:黒坂浩一)
法則、良しあし、ロジック、スキル、方法論を左脳領域として、アート、センス、カン(感、勘、観)、好き嫌いを右脳領域とする場合、ビジネスはあまりにも左脳偏重ではないか。そう主張するのは、2人のビジネススクール教授。
1人は早稲田大学ビジネススクール教授で『右脳思考』の著者・内田和成氏、もう1人は『ストーリーとしての競争戦略』『すべては「好き嫌い」から始まる』などの著者、一橋ビジネススクール教授の楠木建氏である。両氏が右脳領域を活用する重要性やその磨き方について、丸善・丸の内本店で議論した。1回目はビジネスにおける「論理と直感」のつながり方(記事タイトル&記事URLリンク、後日)について語り合った両氏。2回目の今回は経営のスキルとセンスについて話した。

仕事の中で、どうワクワク・ドキドキを見つけるか?

楠木建(以下、楠木):「ワクワク・ドキドキ」を新規性としてイメージする人が多いですよね。どこかに自分がまだ見ぬワクワク・ドキドキがあるのではないか――という話なのですが、それはあまりない。

それよりも、いつまでたっても飽きないことが本当のワクワク・ドキドキであり、好きなことだと思うのです。その人なりの右脳の持ち味、カン、センスは、一生に1つです。途中でセンスのありようが大きく変わったりすることはまずない。だから、過去にドキドキしたものについて「あのドキドキの本質は何だったか」と自省することが大切だと思うんです。

内田和成(以下、内田):私はコンサルタント時代、パートナーとして、最初に売り込む提案書や最終的な報告書をチェックするときに、それを見てワクワク・ドキドキするか、ということを唯一最大の基準にしていました。なぜかというと、人間は理屈では動かないからです。

そういう話をすると、「リストラや事業撤退のプロジェクトでは、ワクワク・ドキドキできない」と言われます。確かに、単に工数を減らして500人切ればコストダウンができて、100億円の黒字になるというのは、算数として正しくても、人間の気持ちとしては面白くありません。

ですが、そこでもやりようがあります。単に頭減らしではなく、仕事の効率化を図って、浮いた100人により面白い仕事をさせる部分に力点を置けないかというように考えていくと、一見、後ろ向きのプロジェクトでもワクワク・ドキドキにできるというのが、私の経験則です。

それから、仕事の進め方においても、「私はこれがやりたい」「こういう組織にしたい」と言って「この指とまれ」方式で集めて、何かを試みていくと、モチベーションが高くなる可能性があります。これは方法論というよりも、気持ちの問題であって、それ次第でいくらでも知恵が湧いてくると思います。

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