「ココイチ」FC加盟店が失敗しづらいカラクリ 「10店のうち1店しか潰れない」秘策の正体

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

売上高でいえば、2017年2月期こそ、決算期をそれまでの5月決算から2月決算に変更したことで落ち込んだが、それを除けば、2010年以降、増収を続けている。

CoCo壱番屋が、なぜ「10店に1店しか潰れない」のか。その理由は同社独自の、のれん分け制度である「ブルームシステム」にある。

「ロイヤルティ」が存在しない

同社の国内店舗数1267店のうち、フランチャイズ1108店がブルームシステムによってのれん分けした店舗である。のれん分けしたフランチャイズには、他のフランチャイズと比べて、大きく異なる点がある。それは、「本部にロイヤルティを支払う必要がない」のだ。

フランチャイズオーナーにしてみれば、「カレーハウスCoCo壱番屋」の看板で店舗を持てて、その店で儲けたお金は「自分の収入」にできる。ロイヤルティを払わなくていい分、店舗の経営は安定するし、自分の収入が増やせるのでモチベーションも上がる。

さらに、このブルームシステムでは、フランチャイズオーナーになる条件として、「まずは壱番屋の社員になること」を規定している。通常のフランチャイズでは、オーナーを募集して、研修を受けさせて独立開業となるのが一般的だが、ブルームシステムではまずは正社員として働く。そして、いくつもの店舗でカレーチェーンの店舗運営を学び、その後に独立するという流れだ。

しかも、全員が独立を認められるわけではない。昇進制度で一定以上にならないと独立できない。つまり、独立開業のオーナーになる前に店舗経営のノウハウを徹底的にたたき込み、独立後はロイヤルティを取らずに、店舗の経営をオーナーに任せる。だからこそ、フランチャイズの継続率が約90%にも達し、生存競争の厳しい飲食業界にあっても「10店に1店しか潰れない」のだ。

次ページココイチはどうやって儲けているのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事