47歳「斬新な日本酒」を造り込む男の痛快な仕事 岩手の老舗酒造5代目はここまで徹底する

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お酒自体の売り上げが下がっているが、その中でも日本酒はかなりつらい状況だ。農林水産省によれば日本酒の国内出荷量は1973(昭和48)年には170万キロリットルを超えていたが、ほかのアルコール飲料との競合などにより、近年は50万キロリットル台前半まで減少している。ピーク時の3分の1以下だ。

「アルコール飲料の種類はすごく増えました。昔はビールと日本酒くらいしかなかったですから。さまざまな選択肢がある中で日本酒に到達する人はなかなかいません」

一方、かつて日本酒が売れていた時代の日本酒は、今と比べると品質のよくない品が少なくなかった。そうした粗悪な日本酒を大学などの飲み会で罰ゲーム的な飲み方をさせられて、一気に日本酒が嫌いになったという人も少なくない。

伝統を継承しながら、新しい日本酒を出し続ける

最近では、酒屋、飲み屋、日本酒ファンが草の根的なイベント活動をして日本酒業界を盛り上げてきた。酒造メーカーもイベントに参加したが、飽和状態になってきているという。

一部的に活気はあるものの、全体的に見ればいまだに日本酒業界の衰退は続いている。酒蔵が倒産してしまうことも多いし、他業種に買収されてしまう場合も多い。

喜久盛酒造の日本酒のラインナップ(写真:藤村卓也さん提供)

「『おいしい酒を造る』『斬新なパッケージを考える』という努力で、自社製品を売っていく、というのが喜久盛酒造の戦略ですが、自社単独で人気が出て売れるというのは難しいですね。やはり日本酒業界全体で盛り上げていかないとだめですね。なんとか日本酒を飲まない人たちに、振り向いてもらえるような活動をしたいと思っています」

藤村さんにはこれからも伝統を引き継ぎつつも、新しい日本酒を出し続けてもらいたいと思った。

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