日本酒「ツウなら辛口」説は、とんだ勘違いだ ウソだらけの「通説」は捨ててお酒を堪能!

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変な「通説」に振り回されてしまうのはモッタイナイ!(写真:xiangtao / PIXTA)
おいしいお酒を選ぶのに、お酒に詳しくなる必要はまったくない――。
ソムリエ兼酒匠(さかしょう)兼バーテンダーという「お酒のプロ」でありながら、そう断言する山口直樹氏。『世界で一番わかりやすい おいしいお酒の選び方』の著者でもある山口氏が、ちまたにあふれる「日本酒の間違った通説」をバッサリ斬り捨てます!

 

日本酒専門店の支配人として働く中で、最も悲しいこと。それは、日本酒の世界にはあまりに「通説」が多いために、ほとんどの人がよく理解せず、いや、誤った理解のままオーダーしてしまっていることです。

今回は、ちまたにあふれる日本酒の代表的「ウソ通説」4つについて、がっつり解き明かしていきましょう。

そもそも日本酒の「辛い」って、どういう味?

■ウソ通説1:日本酒のツウは「辛口」を頼む

地球のどこでも、男はバカだ! 僕がそう確信したのは、日本酒が海外でも「辛口 is 最高!」ともてはやされていると知ったときです。白ワインにしても日本酒にしても、なぜか男性のみなさんは口を揃えて「辛口が好き」とおっしゃいます。これ、世界中で同じなんですね。

でも、ここでみなさんにお伝えしたいのは、「辛口の日本酒をください」というオーダーでは、本当においしいお酒を選ぶことはできないということ。世の辛口信仰は、おいしいお酒を選ぶのに邪魔なのです。

そもそも日本酒の「辛い」って、どういう味だと思いますか? 実は、辛さは味のことではありません。アルコールによるピリッとした「痛み」。味覚じゃなくて、痛覚なんです。

次ページ「本格的な酒=辛い」の構図は、こうして出来た
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