日本酒「ツウなら辛口」説は、とんだ勘違いだ ウソだらけの「通説」は捨ててお酒を堪能!
なぜ「痛覚」である辛口がここまでもてはやされるのでしょうか? その理由のひとつに、バブルの頃に起きた淡麗辛口ブームがあります。当時はとにかく雑味も甘味も旨味もないスッキリとした味がよしとされ、「本格的な酒=辛い」の構図ができあがっていました。1987年発売の「アサヒスーパードライ」が巻き起こした「ドライ戦争」の一環とも言えるでしょう。
けれど、ビールはその後、サントリーの「プレミアムモルツ」に代表されるように、麦芽そのものの味が評価されるようになりました。コクや旨味を持つビールが「いいビール」とされるようになったのです。なのに日本酒については、そのまま辛口信仰が残ってしまった。
では、ビールにおける麦芽って、日本酒では何でしょうか? そう、お米ですよね。ビールの原材料が麦芽であるように、日本酒の原材料であるお米ならではの旨味と甘味が口の中に広がってこそ、本当においしい日本酒と言えます。日本酒の醍醐味はやっばり旨味、そして甘味にあるのです。
「日本酒は苦手」という人に知ってほしい!
つまり、「ツウは辛口」ではなく、「ツウは甘口」が本来の姿。それに、舌の声に正直になってもらうと、みなさん甘口の日本酒が大好きなんです。
ここだけの話、「辛口でオススメをちょうだい」と言われたお客様に、こっそり旨味タップリの甘口のお酒を出したことは、一度や二度ではありません。でも、「辛口じゃないじゃないか!」とお叱りを受けたことは一度もない。みなさん、「うまいうまい」と飲んでくださいます。そう、甘い日本酒って、「旨い」んですよ!
■ウソ通説2:日本酒は悪酔いしやすい
日本人にとって、和食はもっとも身近な料理。細かい好みはあれど、和食全般が苦手、という人は珍しいのではないかと思います。もちろん、和食と日本酒の相性は抜群。けれども悲しいことに、「和食は好きだけど、日本酒は苦手だ」というお客さんもときどきいらっしゃいます。その理由の筆頭が、これです。
「日本酒は次の日に残るから……」「ほかのお酒は大丈夫なのに、日本酒だけは悪酔いして気持ち悪くなるから……」
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