ホームレスの住居事情は一体どうなっているか

安心して眠る場所を確保するのに苦労がある

人が住まなくなった空き家、廃屋に人が住み着くケースもある。もちろん、違法行為である。ただ、都心部の空き家に住むのはとても目立つので、あまりない。もし住み着いたとしても、すぐに警察を呼ばれて追い出されてしまうことが多い。

これは、住宅街にある小さな公園も同じで、誰かが住み着くとすぐに通報されてしまう。住宅街は、住人の目が厳しいのだ。

ところが、都心部ではなく山などの辺ぴな場所にある廃屋に、ホームレスが住むことがある。廃墟(はいきょ)、廃屋を回ることを趣味にしている、男性に話を伺った。

「廃墟、廃屋を散策しているときに、ホームレスとバッティングすることはたまにあります。もちろんかなりビックリしますけど、何かトラブルになったことはこれまでないです。知り合いは大声で怒られた人がいましたが、実際それ以上の諍(いさか)いにはならなかったそうです。

ただ、ごくまれに亡くなってしまわれたホームレスを発見してしまうことがあります。もちろんきちんと鑑識したわけではないので、本当にホームレスだったかはわからないんですが……。

こちらも、廃墟や廃屋を取材する時は基本的に無断で違法で入るので困ってしまいますね。警察に電話だけして、匿名で情報だけ伝えました」

同じ趣味の人に話を聞くと、死体を発見したことがある人がポツリポツリといた。山奥にある元新興宗教の宿泊施設からホームレスの死体が発見されたという事件もあった。

今後、地方では、ますます人口減少によって廃屋、空き家が増えていくことが予想される。何らかの対応が迫られるかもしれない。

かつて多く見られた公園や道路に小屋

今では、あまり見かけなくなったが、かつては公園や道路などに小屋掛けしている人もたくさんいた。『小屋を建てる』という行為はある種、覚悟を感じる。

一時的に家を失い、しばらく路上で寝たり、車上生活をしたり、ネットカフェで暮らしたりすることは多くの人にありえる。

ただ、ほとんどの人は数カ月以内に、生活保護を受ける、実家や知人宅に身を寄せる、などして野宿生活から離脱する。

歩道橋下の限られたスペースのうえに所狭しと建てられたテント(筆者撮影)

野宿生活をしばらく続けていくという覚悟があっての小屋掛けなのだ。

都市部に小屋を建てる場合は面積が限られている。あまり大きな小屋は建てられない場合が多い。

かつて川崎競馬場と川崎競輪場の近くの道路にはたくさんの小屋が並んでいた。低木の街路樹と街路樹の間の狭い空間に建てられているので、ギリギリ人が寝られる程の小さい小屋が建てられていた。小さいながらもしっかりとした、屋根、窓、ドアがあったり、ぬいぐるみを飾ったりと、しゃれた家が多かった。

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