もともとは「動物を守りたい」という善意からはじまったプロジェクトのようだが、そもそも河川敷の不法占拠で勝手に建てているのだから、手放しで褒めるわけにもいかない。
なんともモヤモヤした気持ちになる、答えだった。
しばらくオリはそこにあったのだが、さすがに問題になったらしく『取り壊すように』というお達しが貼られた。そして実際に取り壊されて、現在はもう施設はない。
先日久しぶりに立ち寄ってみると、現在はもう廃材も撤去されていた。しかし、動物のお墓だけは現在もあった。そしてよく見てみると、新しいお墓があった。
河川敷では猫を飼っているホームレスが多い。亡くなった後にここに、埋葬したのかもしれない。
手を合わせてお祈りした。ただ内心、「取り壊しになった際、追い出された犬猫はどうなったんだろう?」
という疑問が残った。
皆「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」がある
ひとくくりにホームレスの住居といってもさまざまなバリエーションがあることがわかったと思う。どんな家に住んでいても、皆苦労をしている。
取材をしていると、
「一般の人にテント(小屋)を壊された」
という話をよく聞く。多くはテレビや雑誌などで
「ホームレスなのにこんなぜいたくな生活をしている」
というような報道を見て、腹を立てたと言う人が多い。もちろん、公園や河川敷に住居を建てるのは違法な点もある。
ただ、憲法では基本的人権の1つとして『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利』が保証されている。
「電気を使っていたから腹が立って、暴力を働いた」
「生意気な家に住んでいたから、壊した」
というのは正義でもなんでもない、ただの弱い者いじめを楽しむ卑劣な暴力にすぎない。
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