ホームレスの住居事情は一体どうなっているか

安心して眠る場所を確保するのに苦労がある

大きな水害の後に、野宿生活を諦めてしまう人も少なくない。先日、多摩川の河川敷を歩いたところ、昨年の大雨のせいで空き家になった小屋が増えていた。

空き家になってそのまま廃墟になり、崩壊してしまう場合もあるが、その前に違うホームレスが住むこともある。

確かに前職が建築関係者だった人は多いが、全員ではない。手にスキルがない人にとってゼロから家を建てるのは難しい。

「どうしようか困って歩いていたら、住人の1人に声をかけられたんだ。『俺の小屋の横の小屋が空いてるから、よかったらそこに住んだら?』って言われた」

足を運んでみると、とてもしっかりした作りの小屋だったので満足して住み始めたという。その家の元の持ち主は、福祉マンションに移動したらしい。

中には元住んでいたホームレスが亡くなられた小屋もある。世間では人が亡くなった物件を事故物件などと言って嫌がる場合が多いが、あまり気にせずに住んでいる人が多かった。

多摩川の河川敷で見つけた変な物件

最後に、多摩川の河川敷で見つけた、ある建造物の話をしたい。

先に話したとおり、河川敷に建っている小屋はちゃんとした建物が多い。母屋だけではなく物置が作られ、横に畑がある家もある。また近所に住む人が、勝手に船着き場を作ったり、ゴルフ場を作ったりしている場所もある。

だからどんな家を見てもそんなに驚かないのだが、その建造物だけはさすがに驚いた。

河川敷の葦の中に道を見つけたので進んで行く。なぜか通行止めの三角コーンが置かれていたり、大量の消火器が山積みにされていたり、少し不穏な雰囲気だった。

ちょっと恐怖を感じたが、勇気を振り絞って奥に進んでいった。

すると、そこには、とても大きな建物があった。人が住んでいる雰囲気でもないし、物置でもなかった。それは“オリ”だった。

通行止めの三角コーンの先にはオリが(筆者撮影)

鉄パイプと鉄の網で作られた、かなりしっかりした施設だった。

オリ以外にも、東屋のような建物が作られていた。かなり立派な、大掛かりの施設であり、木材などは新規で購入した物だった。材料費だけで数十万円はかかっているはずだ。

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