仕事はできるのに「軽んじられる人」の話し方 相手との関係性を変えるたった1文字の違い
心理学で[自己開示]と[自己呈示]と呼ばれるものがあります。
自分自身に関する事柄をすべて話すこと。警察の取り調べのようなものです。
他者が持つ自己の印象を統制しようとすること。つまり、自分自身に関する事柄の中で、自分の印象のために伝えたい部分だけを話すこと。舞台で注目してほしいところにだけスポットライトを当てるようなものです。
大人の伝え方として重要視したいのは、②自己呈示です。
当人は「正直に話せば許してくれる」と思って、すべてを話しているのかもしれません。しかしそれは自己弁護や保身でしかありません。
それよりも、相手が何を求めているのかを考え、必要なことだけを伝えましょう。真実の中から何を伝えるのかの判断を相手任せにしないという気遣いです。もちろん、うそをつくのは論外です。
「えー」「そのー」は、そこまでマイナスにならない
話しすぎてしまうということとは逆で、すらすらと言葉が出てこず、「えー」「あー」「あのー」というように言いよどむクセがあり、気にしている人も多いかもしれません。実際、言いよどみが悩みだという相談をよく受けます。言いよどみは、聞く側にとって聴覚ノイズとなり、耳についてしまうことは確かです。
これは心理学の「カクテル・パーティ効果」も関係しています。パーティの雑音の中でも興味ある会話が聞き取れるように、人が音声を選択的に聞くという効果です。人は自分に関係がある必要なところだけを聞き取るのです。「この人はよく『えー』と言うな」と相手が1度気になってしまうと、「えー」だけに注意を払って聞いてしまうのです。話の中で何回「えー」と言ったか数えてしまう、という人もいるでしょう。
「えっと」なら「えっと」、「えー」なら「えー」というふうに、1種類の言いよどみであると、より目立ってしまいます。ところが、つまり複数の種類の言いよどみであれば、実は意外に気にならなかったりします。
言いよどみを全部なくすなんて難しいという人は、いっそのこと言いよどみのバリエーションを増やしましょう! 少し気が楽になるのではないでしょうか。
それでもやはり「えー」「あー」をなくしたい、気になって仕方がない、という方は、話の終わりに口を閉じることを実践してみてください。「~と考えています」と言ったあとに、口をきゅっと閉じるのです。1文を話し終えても口が少し開いているから、次に何を言おうかと考えているときに「えー」「あのー」と言いよどみが出るのです。口を閉じていれば、そもそも「えー」「あのー」という音は出ません。
話すときは話す、そうでないときは口を閉じる。ぜひ意識してみてください。
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