仕事時間を減らす「効率化」の超基本ルール 紙を扱う際4つのポイントを意識するといい

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4.あらゆる書類はA4 1枚にまとめる

書類を日常的に捨てる習慣や、プリントアウトやコピーをしない習慣が身に付いて、紙が増えなくなったら、次はパソコン、スマホ、クラウド上に保存している書類(ファイル)を見直しましょう。

紙の書類と同様に、ファイルも油断しているとどんどん増えていきます。データが増えすぎると、探すのが大変になり、肝心なときに見られないということになりかねません。わかりづらいファイル名をつけてしまったり、保存先のフォルダの階層が深かったりすると、探し出すのに時間がかかります。

たとえファイル名や保存先フォルダを覚えていたとしても、階層が深いとファイルにたどり着くまでに何度もクリックしなければなりません。なるべくデスクトップから浅い階層に入れましょう。また、ファイルの内容自体も最初からできる限りシンプルなものにしておくといいでしょう。

いい書類を作ろうと力む必要はない

お薦めしたいのは、資料や企画書などあらゆる書類をA4 1枚(1ページ)にまとめることです。どんな内容の仕事であっても、A4 1枚にまとめることは可能です。

要点を箇条書きにすればいいのです。

「いい書類を作ろう」を力む必要はありませんし、書く順番にもこだわる必要はありません。とにかく書き始めることが大切です。伝えたいことや、今後のために残しておきたい内容を思いつく順番でどんどん書いていくのです。

書いているうちに、自然と必要なことが追加されていきます。書類ができたら、先ほども言ったように、内容と日付がわかるファイル名をつけて保存します。そして、ほかの人にその書類を配布するときも、プリントアウトはせずに、メールで送ったり、共有フォルダなどに入れたりするようにするといいでしょう。

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さて、ここまで書類の整理についていろいろ言ってきましたが、そもそも「書類を作らない」という選択肢もあるはずです。会議の議事録のように記録として残す必要があるものはさておき、書類の中には、そもそも「誰も見ていない」というものもあるはずです。

例えば、前任の部長が作るように指示したものの、仕事のやり方が変わって必要なくなったうえ、当の部長がすでにいないというようなものです。

書類を作る前に「この書類を作ることは本当に必要なのか?」と検討するようにしましょう。そのうえで本当に必要ならば作るのです。こうしたスタンスで臨めば、ムダな書類が増えることはなくなりますし、時間の節約にもなります。

これと同様に、仕事や人間関係などについても、「本当にこの仕事は必要か?」「本当にこの人と付き合うべきか?」をきちんと自分に問うことで、ムダを手放すことができ、自分のために使える有意義な時間が増えることは間違いありません。

山本 憲明 税理士、中小企業診断士

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やまもと のりあき / Noriaki Yamamoto

1994年早稲田大学政経学部卒後、大手制御機器メーカーで、営業・エンジニアと経理を経験。2005年山本憲明税理士事務所を設立。現在は、少人数で効率的な経営を行いたい経営者をサポートし、その経営者が、バランスの取れた楽しい経営が実現できるよう、実践と勉強に励んでいる。本業のかたわら、各種投資や馬主活動、少年野球指導も行っている。著書に、『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』『会社は「1人」で経営しなさい』(ともに明日香出版社)などがある。

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