営業会議が「時間のムダ」になる決定的理由 だから部下育成・業績向上に結びつかない

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おすすめしたいのが、私が生み出した「日次1対1CAT」という手法です。「日次」と「1対1」は文字どおりの意味ですが、CATは、それぞれ「Check」「Advice」「Training」という英語の頭文字です。「日次1対1CAT」を実行すれば、「営業会議が役に立たない理由」の3つすべてが、解消できます。

営業会議の代わりに「日次1対1CAT」を行う

まず、「日次」で指導することによって、商談対策で後手を踏むことがなくなります。当日のことを当日の夕方ごろに、遅くても当日のことを翌日の朝に「CAT」することになるので、対応の時間ロスが防止できるからです。

次に、「1対1」という環境では、否が応でも自分の案件しか話題にのぼらないので、他人ごとに感じる営業マンはさすがにいません。「営業会議よりも1対1のほうが、時間がとられる分、非効率ではないでしょうか」という質問もありますが、そのときは必ず次のように説明しています。

「部下1人1人が主役の、きめ細かな作戦会議の場であり、部下育成の場でもあるので、非効率という言葉はふさわしくありません。時間をもっとかけてほしいのです」

そして「CAT」、つまり、チェック、アドバイス、トレーニングを案件ごとにおこなうことで、きめ細かな作戦を練ることができるようになります。

営業マンの違いが最もあらわれる場面は、どういう場面かわかりますでしょうか?

それは、「次の一手」として何を言うか、何をするか、という場面です。一手ミスぐらいであれば挽回できますが、凡人営業マンはミスを連続させてしまうので挽回が難しくなり、失注確率が高くなってしまいます。

したがって、営業マネジメントの最重要策は、部下に「次の一手」を、常にタイミングよくアドバイスすることです。そうすることにより、部下の能力以上のパフォーマンスを引き出し、またその経験の積み重ねで部下が成長するのです。

次ページ期待して接すると部下は伸びる
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