営業会議が「時間のムダ」になる決定的理由 だから部下育成・業績向上に結びつかない

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「次の一手」の事例としては、次のようなものがあります。 

(ア)間髪を入れずに、速攻で商談すべきかどうか
(イ)そろそろ営業先の上司に会うべきかどうか
(ウ)コストダウンで対応するか、提案変更で対応するか

また、商談の進め方だけではなく、仕事姿勢のアドバイスも重要です。

(エ)予定より早く商談が終わった時、すぐにオフィスに戻るか、時間の許す限り周辺への飛び込みをするか(この意識があったら、事前に次のアタックリストや顧客リストを調べて会社を出るようになる)
(オ)移動効率を考えて、方向の同じ取引先のアポを意識して集中させるか、方向がバラバラであっても取引先の意向どおりにアポを入れるか

1人1人に対するこのようなきめ細かな対応は、営業会議ではできません。ただし、営業会議そのものを否定しているわけではありません。顔あわせを主目的として開く会議であれば、チームワークの再確認をする意味で役立つと思います(この目的が、週1回という間隔でいいかどうかは別として)。私のおすすめパターンは次のとおりです。

◆営業会議の主目的7項目のうち、④、⑥を「日次1対1CAT」でおこなう   

◆営業会議の主目的7項目のうち、①、②、③、⑤、⑦を毎日の朝礼で10分おこなう

ピグマリオン効果でモチベーションアップ

「日次1対1CAT」の発想の原点は、ピグマリオン効果にあります。ピグマリオン効果とは、米国の教育心理学者であるロバート・ローゼンタール(Robert Rosenthal)が提唱する学説です。かんたんにいえば、「期待をもって接すれば、その相手は伸びる」というものです。

『営業の問題地図』(技術評論社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私は、この学説に出会った時に、ピン!とくるものがありました。なぜなら、営業コンサルの経験から、「営業マネージャーと成績の悪い営業マンが1対1で会話をする頻度は、成績のいい営業マンよりも、かなり低い」という実態を知っていたからです。

常識的には、多くのアドバイスが必要である成績の悪い営業マンのほうが、営業マネージャーと接する頻度が高くなければならない(営業マンから報連相がないからアドバイスをしない、という理屈は成り立ちません)と思うのですが、現実は逆なのです。

営業マネージャーが結果的に遠ざけるので、モチベーションはさらに悪化していきます。まさしく、ピグマリオン効果の逆回転のような感じですが、これを「ゴーレム効果」といいます。

日次で1対1で接触するようなしくみを作ることで、部下のモチベーションは相対的に引き上がっていきます。

藤本 篤志 グランド・デザインズ代表取締役

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ふじもと あつし / Atsushi Fujimoto

1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。株式会社USEN取締役、株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。2005年7月、株式会社グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任。主に営業コンサルティング事業、人材育成コンサルティング事業、働き方バランスサポートシステム事業を行う。株式会社USEN現役時代に営業プレーヤー・営業マネージャーとして全国トップの実績を残した経験を活かし、数多くの営業改革を成功へ導く。

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