営業会議が「時間のムダ」になる決定的理由 だから部下育成・業績向上に結びつかない

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縮小

③チーム全体の膨大な営業時間を奪ってしまう

これは、ほとんどの人が見逃している落とし穴です。

たとえば、午前中に営業会議をすると、その日のファーストアポは午後になることが大半です。つまり、営業会議の時間が60分であっても、たまに会議が延びることを考慮してアポを入れないので、午前中は潰れやすいのです。ましてや、会議時間が90分から120分であれば、ほぼ確実に潰れます。

かといって、夕方、たとえば午後5時からするとなると(午後1時からの営業会議は、その非効率性において言語道断)、営業マンは遅刻しないための逆算スケジュール(商談が長引いても戻れるように)を立てることになるので、その日の午後のアポは1件、多くて2件になってしまいます。

このように、営業会議は、どの時間帯で開こうと、営業会議で費やす時間以上の空白の時間帯をチーム全員に強いることになります。1週間に1回ということは、月に4、5回になります。このムダの積み重ねは、カウンターブローのように業績に響いてきます。

結果論ですが、チーム全員が非効率に時間調整をして、しかも他人の発言から学ぶ姿勢の人が少ない営業会議は、まるで業績を悪くするために開いているような感じです。

そもそも営業会議とはどのような目的で開かれるのでしょうか。簡単に整理すると下記になるかと思います。

①営業社員に対する伝達事項を伝える
②営業チーム内で情報共有する
③各自の今月成績の見通しを積みあげ、営業チームの今月成績を確認する
④各自の直近1週間の主な商談進捗を報告し、今後1週間の営業予定を確認、指導する
⑤各自の直近1週間の特筆事項(成功例、失敗例など)を報告し、全員で共有する
⑥ロールプレインング(商談現場の模擬練習)をする
⑦外出が多い営業メンバーのコミュニケーションや顔をあわせで結束力を高める

さて、この7項目の中で、週1回程度の営業会議に適した項目がどれかわかるでしょうか?

「1つもない」。それが答えです。

ただ、会議の目的7項目そのものは、とても重要なものばかりです。ではどうすればいいか。答えは営業会議の代替案を用いることです。

次ページ営業会議に代わる「毎日1対1確認」
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