「印象が薄い人」は自分の掘り下げが浅すぎる "刺さる自己PR"、プロならこうやって考える

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つねにノートを携帯して、ふと「そういえば、あのとき太田さんとケンカしてたよな」と思い出したらそれを書きつける。思い出の落ち穂拾いをする感じで書き込んでいきましょう。また、物心がつくまでのことは覚えていないはずですから、親や兄弟に、「私ってどんな子だった?」などと聞いてみましょう。

自分について取材すると、思わぬ発見があるものです。

「過去のエピソードベスト10」は失敗談を中心に

『博報堂スピーチライターが教える 口下手のままでも伝わるプロの話し方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

こうして過去のエピソードを書き出していくうちに、「そうか、あのときのこの親の一言が人生を変えたんだ!」とか、「あの失恋の痛手から立ち直ったことで強くなれたんだわ」などと、見えてくるものがあります。

それを10個くらい選んでみましょう。すると、「私の人生に影響を与えたエピソードベスト10」が見つかります。これは、誰にも語ることができない、あなただけのエピソードです。

自分のエピソードを10個語れるようになれば、あなたの話は飛躍的に面白くなります。オリジナリティーのある話は飽きません。

とくに、失敗談をたくさん探せば、あなたの人間味が伝わると同時に、そこから立ち直って今に至ったあなたを知って、周囲の見る目が変わってきます。

ネタを豊富に話せるようになりたいなら、まずは過去を掘り起こす。お決まりの自慢話から離れて、「あなた」という人間をつくった出来事を確実に自分のものにする。

いい話をするためには、「まずはあなたの歴史」から。ぜひ、試してみてください。

ひきた よしあき コミュニケーション コンサルタント、大阪芸術大学放送学科客員教授

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Yoshiaki Hikita

早稲田大学法学部卒業。博報堂に入社後、クリエイティブディレクターとして数々のCMを手がける。行政、大手企業などのスピーチライターとしても活動。幅広い業種・世代間のギャップなどを分析し、コミュニケーション能力が高まる方法を伝授する。また、大阪芸術大学、明治大学、慶應MCCなどで教え、「はじめて『わかった!』と心の底から思えた講義」「一生ものの考える力が身につく」と支持を集める。教育WEB「Schoo」では毎回事前予約が約20,000人集まるほどの人気ぶり。著書に『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)など。

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