「仕事の段取りが悪い人」ができていないキホン 「ケンブリッジ式心理学」の知見から学ぶ

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その典型的なものがメールではないでしょうか。スマホであれば、「おは」と入力したら候補のところに「おはよう」「おはようございます」というものが表示されるので、それを選択すれば入力がラクです。

この便利な機能を使わずに、毎回1文字ずつ入力することには意味はありませんよね。私は仕事柄、日本語だけでなく英語でもメールを書く機会がありますが、どちらの言語においてもメールで使う言葉というのはある程度パターン化できるのではないでしょうか。

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「先日はありがとうございました」などの簡単な挨拶に始まって、要件を伝えて、締めの挨拶をして、それで終わりです。挨拶文や締めの文はたいてい決まっていますよね。毎回入力するのは時間とエネルギーがもったいないですから、常套句をパソコンやスマートフォンのユーザー辞書に短文登録しています。

「め」と入力して変換するだけで、「いつもお世話になっております」「ご無沙汰しております」「お手数ですが、ご検討ください」「今後とも、よろしくお願いいたします」 のような常套句が20ほど出てくるようになっているので、一発で入力できてしまいます。

力を抜けることは徹底的にパターン化する

メールのほとんどがハンバーガーのような構成ですから、バンズはパターンでこなして、メインパーツに力を入れる、ということはすぐにできるはずです。英語も同じように登録しておくことで、素早く常套句を引っ張り出せるので、メールに割く時間を一気に短縮できてしまいます。

マーケティングにおいて全体の2割である優良顧客が売上の8割を上げているという「パレートの法則」はビジネスではよく登場する言葉なので、今さら説明する必要もないかと思いますが、ある仕事の成果を左右するポイントは全体の2割にすぎないかもしれません。そこにエネルギーの8割を割くことが大きな成果を上げるためには必要で、残りの8割はこれまでにこなしてきた仕事から抽出したパターンやテンプレートなどの型でこなすことができるのではないでしょうか。

段取りを組むときには、どこに最も自分のアイデアやエネルギーを費やす必要があるかを徹底して考えましょう。そして力を抜いてパターンでこなせるものは、徹底してパターン化してしまいましょう。

塚本 亮 ジーエルアカデミア 代表取締役、京都山城スポーツクラブ代表、同志社大学嘱託講師

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つかもと りょう / Ryo Tsukamoto

1984年京都生まれ。高校時代、偏差値30台、退学寸前の問題児から一念発起し、同志社大学に現役合格。卒業後、ケンブリッジ大学大学院で心理学を学び、修士課程修了。

帰国後、京都にてグローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。

心理学に基づいた指導法が注目され、国内外の教育機関や企業、トップアスリートなどから指導依頼が殺到。これまでのべ6000人に対して、世界に通用する人材の育成・指導を行っている。主な書籍として26万部突破のベストセラー『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』などがある。

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