「仕事の段取りが悪い人」ができていないキホン 「ケンブリッジ式心理学」の知見から学ぶ

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ネットや本で情報を得るのも、もちろん大切。しかし、自分で行って、見て、聞いて、嗅いで、触れて、味わってと、五感すべてから入力された情報が一次情報なわけですが、ただどこかから入手した情報を元に考えることと実際体験したことを元に考えることでは、深さが違います。

100点満点の段取りなんて、そもそもありません。しかし、情報をたくさん持っているかどうかが段取りに大きな影響を与えることは事実です。コツコツと積み上げる質の高い情報は、あなたならではの価値を生むうえでの、大きな資産となるのです。

やることを2つに分類する

段取りを考えるうえで重要なのは、脳が最も活発な時間帯に最も集中力を必要とする仕事をすることです。脳が疲れた状態のときに気合でなんとかしようと思っても、全然進まなかったり、クオリティーが低いものができてしまったりするからです。夜に眠い目をこすって頑張って仕上げた資料を翌朝見直ししたら、「全然ダメじゃんこれ。やり直さないと」となった経験がある人は少なくないでしょう。

ですから、高いパフォーマンスを発揮するためには、まずタスクを大きく2つに分類することが重要です。それは、集中力が必要なタスクと、それほど必要でないタスクです。

例えば、重要な書類作りや、文章の作成、企画を考えることなどは集中力を要します。一方で、メールのチェックや電話をかけること、プリントやコピーをすることなどは、とくに集中力を必要としませんよね。私の場合で言うと、本の執筆をしたり、講演や仕事の資料を作成したりすることが多いのですが、まさにこれらは集中力を要します。脳が働かない、集中できる環境がないときにいくら頑張ろうと思っても、手が進みません。

逆に簡単な書類の確認作業やメールの返信などは、それほど集中力がなくてもできますから、スキマ時間にでも十分できますし、集中力があまり保てない脳が疲れているときでも問題ありません。段取りの悪い人は、まとまった時間が取れる時間帯に、スキマ時間でもなんとかなることに取り組んでしまって、集中力が必要な仕事にちゃんと時間を割けない、脳がもう疲れて働かない、という事態に陥ってしまいます。

何をやるか、ということも大事ですし、いつやるかということも同じく重要なのですが、それをないがしろにして自分を追い込んでしまっていては、自信を失いかねませんよね。タスクをしっかりと分けて、それぞれいつやるのかを段取りしないと、このようなマイナスのスパイラルにはまってしまいます。

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