「仕事の段取りが悪い人」ができていないキホン 「ケンブリッジ式心理学」の知見から学ぶ
「ここだけの話」で情報の質を高める
いい段取りをするためには、いい情報が欠かせません。今の時代はインターネットによる情報革命のおかげで、あらゆる情報が手に入るようになりました。しかも多くの情報が無料で手に入るので、何か調べたいことがあるときは、すぐにネットで解決、としてしまっている人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、誰でもアクセスできる情報にはあまり価値がありません。価値を生むのは、いつも誰もが手に入れられない情報です。それらを入手するために必要なのは、自分で体験することで得られる一次情報。そして、信頼できる人から聞いた情報です。私はさまざまな業界の方とお仕事をさせていただきますが、飲み会の席や打ち合わせで出てくる話は、ネットはもちろんのこと、本にも書かれていない情報が山ほどあります。書けない情報、と言ったほうが早いのかもしれません。
どこの業界がどのように動いているか。どういうところに課題があるのか。考えたら当たり前の話なのですが、ライバル企業に知られたくない新プロジェクトの計画を、誰にでもベラベラと話したり、ネットに公開したりするはずがありませんよね。水面下でじわじわとプロジェクトを進めて、ここぞというときにそれをパブリックにします。見えている世界というのは、氷山の一角にすぎないのです。
だから、「ここだけの話」はあちこちにいっぱい存在します。業界のトップは話せない話を話しています。だから水面下の動きを把握するためには、異業種の人と交流しなければいけない。そのためにも日頃から、社外にも飛び出して、さまざまなジャンルの業界の人とのつながりを持ち、深めておく。そうすると新鮮で、質の高い情報が入ってくるようになるのです。
また、現場に行って得る一次情報の価値は、ますます高まっています。なんと言っても一次情報には説得力があります。なぜならば、「なにを言うか」はもちろん大切なのですが、「誰が言うか」も同じくらい大切なのです。留学したことがない人が留学の魅力を語るよりも、経験がある人が語ったほうが説得力がありますよね。自分はやらないのに良いことを語られても心が動きません。
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