32歳引きこもりの息子に母が惜しみなく注ぐ愛

不登校、強迫性障害、「親ゼミ」を経て…

何度も失敗して見えてきた、ひきこもりの息子に寄り添う方法(イラスト:不登校新聞より転載)
渡辺明子さん(仮名)の息子さんは、小学2年生から学校へ行きしぶるようになった。その後、教室での息子のようすを見た渡辺さんは、「もう学校に行かせられない」と思ったという。息子さんの強迫性障害や、親の会に参加し考えたことなど、お話をうかがった。

――息子さんが不登校になったのはいつですか?

小学2年生です。息子は主人の仕事の都合で4月に転校したんですが、新しい担任の先生と合わなかったんです。すごく怒られていたようでした。

家庭訪問のとき、先生が着くと息子はビクッとして「僕もいっしょにいなきゃダメ?」と聞いてきたんです。おびえているようでした。

当記事は不登校新聞の提供記事です

息子は先生に怒られていて、周囲から「ダメな子」だと思われていたらしく、友だちもあまりできませんでした。

だんだん朝起きられなくなって、食欲もなくなり、眠れない日が多くなりました。学校も休みがちになり、無理やり連れていったりもしましたが、正月明けにはまったく行かなくなりました。

当時の私は「学校と話し合う」という発想も持てなかったし、夫からは「お前の育て方が悪いんだ」と怒られるし、もうどうしたらいいのかわからない、パニック状態でした。

教室にいたのはウチの息子?

3年生になってクラス替えがあり、担任の先生も替わったので、新しい先生に事情を説明して息子といっしょに学校に行ってみました。そして、一日中教室の後ろで息子のようすを見ていたんです。

そしたら、教室にいる息子は、家とはまるで人が変わってしまっていたんです。イスのうえにひざを抱えるようにしてしゃがんで、ずっと小さく前後に揺れているんです。

まわりの世界をいっさい遮断していて、先生の話も耳に入っていない。自分の子じゃないみたいでした。そんな息子を目の当たりにして、「このまま学校に通わせたら、この子は本当にダメになってしまう」と思いました。

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