「月一回の忘れた頃にやってくる出張よりも、ほんの10分で終わる電話のほうが、得意先としても気が楽だし、合理的です。結果、むしろ以前より注文が増えましたよ」(佐々木氏)
今ならば、メールやチャットなどのデジタルツールも当たり前のようにある。こちらの都合で、相手の時間を強引に奪うことなくコミュニケーションできる。
「営業は対面してこそ」とか、「電話で済ますヤツは失礼だ」などと面倒なことをいう古株もいそうだが、今どき、何も考えずに「とにかく会いたい」となるほうが、失礼だということを理解しよう。
とはいえ、人は“自分に似た相手を好む”という特性があることも押さえておきたい。頻繁にメールをしてくる相手にはメールで対応。電話を好む相手は、相手に合わせて電話。直接会うと話が早いというタイプは、なるべく会う……など、相手によってコミュニケーションの方法を変えると、よりスムーズに話が進むことも頭の片隅においておきたい。
ポジティブな手抜きをしたいなら、ぜひ活用してほしいもう1つのレガシーが「ヒト」。社内の「デキる」先輩や上司を見つけて、彼らを利用することである。
ノウハウをつかむにはデキる人に教わる方が早い
佐々木氏は、それまでいた経営企画部から営業部に異動になったとき、それを実践した。社内の各部署で「あの人はデキる」「めちゃくちゃ優れた営業マンだ」と噂される5人に「営業とは何たるかを、ぜひ教えてもらえませんか?」とメール。うち3人は、まったく面識のない人だったにもかかわらず快諾を得て面談の機会を得たそうだ。
「なにせメールには『あなたは営業の神様と聞きました。神様にぜひ教えを請いたい』と書きましたからね(笑)。なんだかんだいっても人はおだてられたら弱いものです」(佐々木氏)
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