よって、働いている従業員と多く接して、みなエンゲージメントが高ければ、その会社は、組織として多くの魅力的要素を持ち、良い職場づくりに向けての意識や、会社業績への意識も高いと考えられ、女性がやりがいを持って働きやすく、安定した生活を得られやすい会社である可能性が高いと言えます。
このとき、接した人たちが、どのような点でエンゲージメントを高めているのか確認することが必要です。何故そこまで、その会社のためにやろうと思っているのか? その理由が自分自身の価値観と、あまりにも異なる場合は、その従業員と同じようにエンゲージメントを高めることが難しいことがあります。逆に自身の価値観と共感できるものであれば、自分も将来、その会社でエンゲージメントを高めて働ける可能性は高いと思います。
その会社で働くことによる自身の成長を感じられている。
最後に、とても福利厚生がしっかりしていて、仕事で大きな負担が無く、仕事もプライベートも充実した理想のワークライフバランスが取れる会社に入社したにも関わらず、後に「こんなはずではなかった…」となるケースがあることを伝えておきます。
それは、再就職しようとした時、「自分に他の会社でも通用するスキルや市場価値が、あまり無いということに気づく」ということです。
入った会社でずっと働き続けることができれば、社内事情に詳しいことや社内人脈も構築している分、社内での生産性は高い為、社内価値が市場価値を補い、理想のワークライフバランスを保ち続けることができるでしょう。しかし、なんらかの事情で転職が必要となった時、スキルや市場価値が低ければ、理想のワークライフバランスを継続することは難しくなります。
中長期的なキャリアの安定を考えた場合、働きやすさだけを重視するのは、将来的にリスクを背負うことになります。また会社にとっても、人材が育成できず、中長期的な面で見れば必ずしもプラスとはいえません。その会社以外でも使えるスキルが身につくかどうか、ビジネスパーソンとしての成長がしやすい環境なのかは、見ておく必要があると思います。
「成長のチャンス」と捉えられるか
雇用は、国の重要施策である為、女性の積極的活用をはじめとしたダイバーシティーへの対応は、ますます重要視されています。その流れを、「会社の危機」と捉えず、「成長のチャンス」ととらえて、従業員とともに前向きに改革、改善していく会社が、今後、生き残る会社だと思います。
就職先選びの時には、「制度の運用実態」「組織内のコミュニケーション」「目標に向けた協働性」「従業員のエンゲージメント」「成長できる環境」の観点もチェックしながら、女性が活き活きと働いている会社に、注目してほしいと思います。
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