女性活用を軽視する会社はいずれ淘汰される 人事担当者から見た「いい会社」5つの共通項

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人間同士なので、感情が出てしまうものです。会社の指示や命令で、形式上の引継ぎを行うことはできるかもしれませんが、その引継ぎには、力は入らないのではないでしょう。

一方で、普段からコミュニケーションがとれていれば、状況は変わってきます。お互いの人間性や価値観を理解し、助け合った経験、悔しい想いを共有した経験のある人が制度利用を申請し、引継ぎを行った場合、引き継ぐ側は大変だとは感じながらも、「お互い様だし、ちゃんと業務を引き継いで、また戻ってきた時に、活躍できるフィールドを用意できるようにしよう」という気持ちになりやすくなると思います。前向きに引継ぎに向かうため、引継ぎをきっかけに業務整理や組織連携を強くして、より組織生産性を高めることが起こりやすくなります。

制度が使いやすい会社かどうかは、社内コミュニケーションが円滑かどうか、皆が目標に向かって協働している風土があるかどうかという点に注目し、従業員同士が話している様子や、会社の人が発する言葉、また社内コミュケーションを円滑にするための具体的取組内容等から、実態を掴んでおいた方がいいでしょう。

3 目標に向けた協働性がある
組織が達成したい目標に、多くの社員がしっかり向かっており、その目標を達成する為に与えられた役割が明確で、やりがいを持って働いている。その役割以外にも、組織の目標達成のために、自分が他に何か協力できることはないかという自発的な働きかけがある。

給料だけではエンゲージメントは高まらない

4 従業員のエンゲージメントが高い
属している組織に対する女性従業員のエンゲージメント(会社への愛着度。単なるロイヤリティとは異なり、個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係の意味)がある。もっと組織をよくする為には何ができるかというアイデアが、社内からどんどん出ている。

女性従業員のエンゲージメントが高い会社は、どんどん積極的に組織をよくしていく提案が出てきやすいようです。よって、女性にとっても働きやすい環境が整いやすくなっています。

その提案やアイデアは、従業員満足度(ES)をあげることだけでなく、顧客満足度(CS)をあげることや、組織の目標やビジョンの達成への目的意識がある中でのアイデアだという点も特徴です。CSとESの両方をバランスよく高めながら、生産性を上げています。自分達が主体的に組織を良くしていくことにやりがいを感じ、楽しんでいるのです。

「レンタカーを洗車する人はいない」という著名投資家バフェットの言葉のように、従業員が属する組織について、自分の組織だという当事者意識がなければ、組織を磨く努力・工夫は出てきません。しかし、当事者意識が強くあれば、組織を磨く努力・工夫が出てきやすくなります。

エンゲージメントは、給与の高さだけでは高まりません。給与は心理的に、一時的な満足にはなっても、継続的な満足にはなりにくい性質を持っているので、エンゲージメントとの相関は薄いといわれています。もっと複合的にあらゆる要素を組み込んで組織をつくっていかなければ、エンゲージメントは高められないのです。

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