これは「○○といえば?」と質問されて、ぱっと思い浮かべる製品名や企業名のシェアのこと。たとえば、「絆創膏(ばんそうこう)といえば?」と聞かれたら、多くの人が、バンドエイドを思い浮かべるでしょう。実際、薬屋さんで「バンドエイドください」と無意識に言ってしまう人が多いそうです。バンドエイドは総称ではなく、ある会社の製品名。つまり、絆創膏の分野ではバンドエイドの「マインドシェアが高い」ということになります。
このマインドシェアが高いとマーケットシェアが高いというのが、ビジネスの世界における通説です。人々が抱くイメージと売り上げは比例するということなのです。
しかし「出会いの場」に、この法則は当てはまりません。合コンはマインドシェアが高くマーケットシェアが低い。その逆に、マインドシェアが低くマーケットシェアが高いのがインターネットによる出会いです。
学校、職場、友人の紹介といった「自然発生的な」身近な出会いの場を除くと、つまり「意図的な」出会いの場では、すでにトップシェアなのです(先ほどのアンケート結果をご覧ください)。
マスコミではネットでの出会いはネガティブに扱われています。婚活サイト詐欺や援助交際など。合コンとは逆に悪いイメージが先行しています。しかし、現実には数多くの出会いを生み出しているのです。先の調査では21%の人たちが恋人と出会い、アメリカでは結婚した人の12%がネットで知り合ったというデータがあるほどです。
また、インターネットの男女のマッチング・サービスに、マイクロソフトやヤフー、伊藤忠商事といった大手の資本が続々と進出しているのをご存じでしょうか。
もう、そういう時代なのです。
せいぜい1回に5~6人しか出会えない合コン。一方、数万人にアプローチ可能なインターネット。どちらに分があるか明らかでしょう。
恋愛市場におけるマインドシェアとマーケットシェアのねじれ現象に惑わされず、インターネットを出会いの場として上手に活用すると、草食系のオジサンの恋愛力はぐんとアップするのです。
最後におバカな話をひとつします。先の「妄想話」を私の友人B君(=以前の記事で「一言も交わさず、街で見かけた美人と出会う方法」を披瀝した私の友人)に話したら、「そりゃあ、『もし草食系のオジサンがアダルトビデオを見たら』だろ」と自慢気にドヤ顔をするのです。
ありがとうB君……。確かに草食系が肉食系になるかもしれない。しかし、気がついているだろうか、僕たち2人が東洋経済のブランドを毀損していることを……。
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