テクニック1で書いたように、「仕事の質を下げずに、仕事時間を減らす」ことこそ、仕事をスピードアップさせる1丁目1番地。しかし、あえて仕事の質を下げて、仕事時間を減すほうがいいこともある。
「『仕事の質にこだわりすぎて、時間がかかりすぎる』。若い人で仕事が遅い人は実はそういうタイプも多い。若い人は経験が少ないだけにどうしても『失敗を恐れる』傾向が強くなります。だから、失敗しないよう、怒られないようにと、意識しすぎて、“過剰品質”な仕事をしてしまう傾向が強い」(平野氏)
たとえば、社内向けのパワーポイントのプレゼンシートなのに、フォントやレイアウトにこだわりすぎてしまう。上司から「取引先の概要がわかる資料がほしい」と言われた結果、ネットであれこれ調べすぎて大量のどうでもいい情報までそろえてしまう――。心当たりがある方も多いのではないだろうか?
繰り返しになるが、問題は仕事の質と時間がトレードオフであることだ。
もちろんプレゼンシートをきれいに作れば見やすくなるが、時間もかかる。上司や取引先が求めているものが「80点程度」なのに、自己満足で「100点以上」を狙う必要はない。
過剰品質を目指したせいで、予定の時間割を超過したり、ほかの仕事をする時間を減らしたりすると、会社としても不利益となり、上司や先輩はいい顔をしないだろう。
「求めるレベル」をあらかじめ聞いておく
もっとも、解決策は実にカンタン。最初にどの程度の品質を求めているのかを、依頼した上司や取引先なりに、しっかりと聞くことだ。資料作りなら「どんな内容をどれくらいのボリュームで求めているのか」。プレゼンシート作りなら「どの程度の見栄えと完成度のものがほしいのか」。仕事を受けるタイミングで、こうした相手が求める品質レベルについて尋ねれば、すぐに返答をもらえるはずだ。
若手のときは、「ちょっと聞きづらい」「失礼ではないか」と思うかもしれないが、むしろ逆。自己判断&自己満足で品質過剰な仕事をされるより、手際よく仕上げてくれることを上司や先輩は望んでいるはずだ。たいてい「ざっくりでいいから早くほしい」という場合がほとんどだ。
そして、こうした問いかけを続けていくと、上司や先輩が仕事において「何をどの程度求めるタイプか」も見えてくる。さらに仕事がやりやすく、スムーズに進むようになり、さらに業務効率化が図れるはずだ。
以上、年末年始からはじめたい時短仕事テクニックの基本中の基本を紹介した。「なんか小さなことばかりだな」とか「1日あたり数分程度しかスピードアップできないのでは?」などと思った人もいるかもしれない。
そうかもしれない。しかし、その数分を毎日続けたら膨大な時間の塊になる。同時にコツコツ積み上げた時短の努力は仕事のスキルアップという成果に結び付いているはずだ。そして、冒頭で述べたとおり、その時間をたっぷりと趣味に没頭できたり、さらなるスキルアップのために使える。
さっそく今から実践すれば、来年には業務効率化のキング、いや、“クイーン”として社内に伝説を残せるはずだ。
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