仕事の投下時間をしっかりと意識してスケジュールに組み込こんでおけば、キャパオーバーになるようなムリな予定を詰め込むこともなくなる。
「ようは学校の“時間割”を作ってしまうわけです。国語の時間が決まっていて、その時間になったらきっちり45分は国語だけ勉強する。あれを仕事でも作るわけです。すると自動的にその時間内に仕事を終えるようになる。少なくとも、締め切りだけをみてバタバタするようなことはなくなりますよ」(平野氏)
テクニック2で記録した「仕事の投下時間」は、振り返るクセもつけておきたい。
たとえば出社後最初の5分だけでも、昨日までのスケジュールを見返す時間を作る。「昨日は営業資料を作るのに3時間はかかったな」「月数回あるA社との打ち合わせは必ず予定していた『1時間』では終わらないな」「そうか先週木曜日は午後に4件の営業回りをしたから、どっと疲れたのか」といった具合だ。
自分の時間の使い方の傾向や行動パターンが見えてくると、仕事時間の「見積もり」の精度を上げられる。
スケジュールを組むときに「資料作りは3時間かかるから、水曜日の午前中にやってしまおう」「夕方は社内ミーティングがあるから、午後の営業は3件までにしておかないとキツイな」などと、“PDCA”を回しながら振り返ると、先週よりも、昨日よりも効率的なスケジューリングができるようになるからだ。
振り返りで、時間見積もりの精度上げる
もっとも、このときに必須なのが投下時間を正確に記録しておくことだ。
スケジュールを記入する際に「2時間で終わる」と記した業務が4時間かかったとしたら。Googleカレンダーなどに記した投下時間も「2時間」から「4時間」に変更しておく。正確な投下時間を振り返ることで、はじめて見積もりの精度が上がる。
「これを続けると『朝のほうが夕方よりも効率がいい』『自分は終業直前にデスクワークをすると速い』など、自分が最も仕事がノッてくる時間帯が見えてきます。その波のようなものを意識してスケジューリングすれば、さらに効率よく仕事できる。
たとえば納期ギリギリで、最優先であたらないといけない仕事があった場合、その仕事の時間割をノッてくる時間帯に移して調整することもできるようになります」(平野氏)
会議室に皆が集まるまでの時間や、営業先への移動中の電車内、次の仕事をするまでのふとした休憩タイム……仕事の時間割を隙間なく作ったとしても、ちょっとした「スキマ時間」は生まれるものだ。
このスキマ時間の活用も、効率を上げるスタンダードな技だ。たとえ数分だけで、その間に仕事が進められれば、チリも積もればで、着実に多くの仕事を片付けることができる。
ポイントは、「スキマ時間にやるべきタスク」を事前に決めて、用意しておくこと。たとえば「メールの返信」「書類の整理」「請求書の発行」「領収書の精算」「スケジュールチェック」など、やらなくてはいけないけれど、あまり考えることなく進められる事務作業に近いものがおすすめだ。
また仕事と仕事の合間にこうした事務作業に近いものをやるとリフレッシュにもなる。ぼーっとしているより、むしろその後の仕事もはかどりそうだ。
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