ディズニープリンセスが炎上しない深いワケ 「女性の描き方」がいま企業に問われている
第1回(「日本は『セクハラ炎上』にあまりにも無頓着だ」)
第2回(中川淳一郞『Webは過激表現OKは大間違いだ』)
国際会議ではセクハラも賄賂の一形態に数えられる
――前々回、前回と日本国内のセクハラ感覚、ジェンダー炎上広告について伺いました。少し目を広げて、今、世界のジェンダー感覚がどのようになっているのか教えていただけますか?
治部:今年アルゼンチンで行われたG20で、「腐敗防止においてジェンダーが重要な理由」というテーマで共同声明を出すグループがありました。簡単に言えば、「セクハラも賄賂の一種」という内容で、国際的な議論の場では、今年あたりからそうした認識が広がりつつあります。
通常、賄賂といえば途上国の役人を買収して便宜を図ってもらう……というイメージが強いですが、セクハラもその一種となると、日本企業も相当まずい状況と言えます。
こうした国際感覚があれば、日本の性行為を連想させるような炎上企業CMがダメなのは明らかではないかと思います。
中川:そういう「国際感覚があればダメだとわかる」という指摘を、ネットの風潮だと「ポリコレ棒でぶったたかれる」というじゃない? 治部さんは、そういう風潮をどう思う?(※ポリコレ棒=ポリティカル・コレクトネスのこと。年齢・職業・性別・宗教・人種などで差別・偏見を受けることのない言葉や用語)
治部:それはねえ、「勝手に一生言っていてください」って感じかな(笑)。「ポリコレ棒でぶったたかれる」という人は、どんな社会にも一定数いると思うんです。それがアメリカだろうが、ヨーロッパだろうが。怪しげな人が大統領になったりしますからね。
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