「女子」と「おじさん」が示す日本人の思考停止

意味もなく濫用されすぎていないか

コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんと、『一発屋芸人列伝』で話題の山田ルイ53世さんが感じる、今の日本のメディアを包む空気とは?(写真:新潮社写真部)
あれをやってもダメ、これをやってもアウト。かつてはテレビなどメディアで当たり前に言われたり、やられたりしていたことがどんどんNGになっていく。
だからといって、古い価値観をアップデートしないとつまらないと言われるし、かといって新しく出てきたテンプレ的な表現にも違和感がある……。お笑い芸人で『一発屋芸人列伝』著者、山田ルイ53世さんと、コラムニストで、『生きるとか死ぬとか父親とか』著者のジェーン・スーさんが、今のメディアや日本に蔓延している「思考停止感」について語り合いました。

テレビは出たい人が出るメディア

山田ルイ53世(以下、山田):ジェーンさんといえば、TBSラジオの帯番組に大抜擢された方という印象が強い。僕は文化放送さんで10年以上何かしら番組をやらせてもらってますが、全然出世しないのでうらやましいし、興味がある。

ラジオもそうだし、作家としてのデビューも、そんな出方あるの?って。僕ら芸人の世間への出方って、ある意味王道しかない。ネタを考えて、それをライブの客前で披露する。オーディションに行って合格すると番組に呼ばれる。その反響が大きければ売れる……ほんと、それだけ。だからジェーンさんみたいに、どこからともなく現れた彗星みたいな人は不思議です。

ジェーン・スー(以下、スー):そんな、彗星なんてとんでもない。テレビにはほとんど出てませんから、よくわからない存在なのかもしれませんね。

山田:テレビからもオファーはくるでしょ?

スー:過去に何度か出たことはあるんです。でも、すごい疲れちゃったんです。テレビって、やっぱり出たい人が出るメディアだと思ったんですよね。特に理由がなくても出たい、という気持ちがなにより必要なのかなと。

ラジオって、朝起きて顔洗って、電車乗ってとことこ歩いて、そのテンションで出演して帰ってこられるんですよ。でもテレビって、一度どんってテンション上げなくちゃいけなくて。終わった後の落ち方も半端ないんです。

山田:あー、なんとなく、わかります。一発屋という肩書になったここ10年で痛感したのが、自分は性格的にテレビというか芸能界に向いてないということなので。今さらですが(笑)。

でも、芸人の場合はつめ跡残さないと、もうゴミみたいなものなので。行くときは行かざるをえない。そのぶん「下手打ったな」っていうときのダメージ、落ち込み方は半端じゃないですね。

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