「エースの重圧」に負けた城彰二、W杯の苦い記憶

食事も摂れず点滴打って挑んだ若き点取り屋

1998年のFIFAワールドカップフランス大会、ジャマイカ戦での城彰二(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ベルギーに2点を先制しながら、まさかの3失点を食らい、ベスト8の壁を超えられなかった2018年ロシアワールドカップの激闘から約半年が経過した。

ロシアで戦ったサッカー日本代表は、通算2得点を挙げた乾貴士(スペイン1部・ベティス)、「大迫半端ないって」の名フレーズで一世を風靡した大迫勇也(ドイツ1部・ブレーメン)、3大会連続4ゴール目をマークした本田圭佑(オーストラリアAリーグ・メルボルン)など攻撃陣が大いに躍動。日本サッカーの進化を印象づけた。

1998年のW杯で期待に応えられなかった城彰二

そんなロシアからさかのぼること20年。1998年フランスワールドカップに初参戦した日本代表は1点を取るのに苦しんだ。

初戦・アルゼンチン戦(トゥールーズ)と第2戦・クロアチア戦(ナント)では再三のチャンスを作りながら不発に終わり、最終的に奪ったゴールは第3戦・ジャマイカ戦(リヨン)の中山雅史(J3・アスルクラロ沼津)の1得点だけ。

若きエースFWとして国民の期待を一身に背負いながら、ゴールという結果を出せなかった城彰二(現・解説者)は戦犯扱いされ、帰国した成田空港でファンに水をかけられるという前代未聞のアクシデントにも見舞われた。

20年前のフランスワールドカップ当時の心境を語った城彰二(撮影:梅谷秀司)

「それほど日本中に注目されていたことを僕は知らなかったんです。

パソコンもほとんどない時代だし、今みたいにインターネットを見る習慣もなかったから。

当時は遠征先に新聞のFAXを日本から送ってもらうのが常だったけど、それも大会中は一切なく、選手に届かないようになっていた。情報はまったくありませんでした。

だから空港に着いたときに大勢の人がいて驚いた。そこでいきなり水をかけられたのは予期せぬ出来事でした。それだけ日本中がワールドカップで過熱していたことを痛感させられた。今、思えば、当時のサポーターはホントに熱かったですよね」と22歳だったストライカーはしみじみと語る。

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