元日本代表・楢崎正剛が42歳の今も戦う矜持

「弱点」といわれる日本人GKの厳しい現実

開幕が迫るワールドカップロシア大会を前に後輩たちにエールを送った楢崎正剛(筆者撮影)

「今の日本代表GKは、まず永嗣(川島=フランス・メス)がいて、柏レイソルの中村(航輔)君もいいし、周作(西川=J1・浦和レッズ)もだいぶ感覚が戻ってきている。東口(順昭=J1・ガンバ大阪)は本人的にケガというのは痛いと思う。だけど自分も経験があるけど、顔のケガは意外に早く戻れたりする。コンディション次第でしょう。(注:4月21日に負傷交代し5月12日の試合で復帰)

代表発表前はナーバスっていうほどじゃないけど、やっぱり意識はする。『常連だから』とかじゃなくて、『パフォーマンスがいいから選ばれている』という感覚が欲しいもの。僕自身も4回経験ありますけど、そういう心境でしたね」

1998年フランス、2002年日韓、2006年ドイツ、2010年南アフリカのワールドカップに参戦している名守護神・楢崎正剛(J1・名古屋グランパス)は、ロシアワールドカップ最終メンバー23人の発表を目前に控えた面々の思いを代弁していた。(前編記事:『元日本代表GK楢崎が強調する「腹のくくり方」』

長年しのぎを削った楢崎と川口能活

楢崎が日の丸を背負った12年間を振り返ってみると、正守護神争いは川口能活(J3・SC相模原)との一騎打ちが長く続いた。1996年アトランタ五輪代表から順調にステップアップしてきた川口とは違い、年齢が1つ下の楢崎は年代別国際大会に出た経験はない(注:2000年シドニー五輪にはオーバーエージ枠で選出され出場した)。

それでも187㎝という日本人離れした長身と冷静沈着な判断力、セービングやコーチング(後方から味方へ指示を出すこと)などの総合力の高さが買われ、弱冠20歳だった1996年に日本代表に初招集され、1998年2月のオーストラリア戦(アデレード)で初キャップを飾った。そこから2人は長きにわたって、よきライバルとしてしのぎを削り続けた。

「能活は1つ上だし、ずっと自分が追いかける立場だった。

代表入りした当初はライバル意識が多少なりともあって、ちょっとギスギスしたところもあっただろうし、あんまりしゃべらなかったけど、能活が海外に行った2000年代前半の頃からはそういうのはなくなりましたね。今では『特別な絆』のようなものがあると思います」と楢崎は神妙な面持ちで言う。

次ページ2人に挑んできたのは川島永嗣だった
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