元日本代表・楢崎正剛が42歳の今も戦う矜持 「弱点」といわれる日本人GKの厳しい現実

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「強かった頃の名古屋は選手と監督の両方に発信力があった。選手が監督の言ってることしかできないようでは、ハッキリ言って、勝てないと思います。監督が示す方向性に沿ったプレーをしないとバラバラになるけど、サッカーはそれだけではうまくいかない。若い選手は自信がないから主張することが難しいんだろうし、そういう心境もわからなくはないけど、恐れていたらダメ。それは日本代表も一緒でしょうね」とベテランGKはあえて苦言を呈した。

名古屋グランパスOBに期待を寄せる楢崎

確かに、名古屋から現日本代表の中核メンバーへと飛躍していった川島、本田圭佑(メキシコ・パチューカ)、吉田麻也(イングランド・サウサンプトン)の3人は強烈なパーソナリティと自己判断力を兼ね備えている。名古屋OBの彼らがロシアで大きなインパクトを残すことが、名門クラブの苦境脱出のきっかけになる可能性は、ゼロではない。

「麻也はプレミアリーグで戦えてる自信が大きいでしょう。普段がワールドカップ以上のレベルだったりするわけだから、心の余裕はあると思います。残留争いの大一番を前にした5月5日のエバートン戦で退場したのは『何してんねん』って言いたいけどね(苦笑)。圭佑は圭佑でメキシコリーグが早く終わって実戦から遠ざかるのはちょっと厳しいし、永嗣も所属先メスのフランス2部降格ショックがあるかもしれない。でも、そういうのをうまく力に変えていくことができるから、あれだけの実績を残せている。ロシアをまた彼らのワールドカップにできればいいと思います」

2017年10月に愛知で行われた日本代表合宿で吉田麻也(左)と川島永嗣(右)と笑顔を見せた楢崎正剛(中央)(写真:JFA/アフロ)

後輩たちにエールを送りつつ、名古屋での定位置奪回に燃える楢崎。ピッチに立ち続けることで、彼は日本人GKの底上げを図っていくつもりだ。

(文中敬称略)

元川 悦子 サッカージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事