サラダ専門店が10憶ドル企業に成長した理由 米「スイートグリーン」、若年の嗜好に合致
11月13日、2億ドル(約228億円)の増資を発表した米国のサラダ専門ファストフードチェーン「スイートグリーン(Sweetgreen)」(本社:米国カリフォルニア州カルバーシティー)。単にサラダを提供するだけでなく、最新テクノロジーを導入し、積極的なコミュニティー作りを行う中で販売網を拡大してきた。
今回の増資で、時価評価額10億ドルを超えるユニコーン企業となった同社は、さらに拠点を拡大する一方、今後は顧客へのカスタム対応したサラダの提供や、新規業態への発展も視野に入れているという。
アリババ、ウーバーと並ぶユニコーン企業
サラダを販売するだけのレストランチェーンが、アリババやウーバーと並び、時価評価額10億ドル(約1140億円)を超える未上場のベンチャー企業の称号「ユニコーン企業」になったニュースは、その週、全米のビジネス界において話題の的となった。
今から約10年前、名門私立大学ジョージタウンのビジネススクールを卒業した3人の起業家、ニコラス・ジャメット、ネイサニエル・ルー、そしてジョナサン・ニーマンは、ウォールストリートで働く代わりに、農家から直送された野菜を扱ったサラダ専門のファストフードレストラン「スイートグリーン」を開業した。
現在全米8つの州で、90店舗を運営する同社は、アプリによる事前オーダーはもちろん、昨年には全店で「キャッシュレス」を導入。これまでも「最新テクノロジーを導入したファストフードチェーン」として、常に業界の先頭を走ってきた。
このニュースをいち早く報じた米『フォーブス』誌によれば、今後同社はただのレストランチェーンを超え、そのデータ分析力を持って、さらに顧客ごとの「カスタマイズされた」サービスを提供しようとしているという。
「我々は(顧客の)好みや(必要とする)栄養素をもとに、これまでとは違う食べ物を提供したいと考えている」とは取材に答えたスイートグリーンの共同CEOの1人、ジョナサン・ニーマンの言葉だ。