2カ所以上で働く労働者に関する規定とは? あなたにも出来る!社労士合格体験記(第75回)
そして移動の類型として以下の3種類を掲げています。住居と就業の場所との間の往復(1号)、厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動(2号)、第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る)(3号)です。ちなみに私は受験生に「通勤いろいろ~♪」と鼻歌交じりで教えていました。
ひとつ目の類型はいわゆる一般の通勤です。2つ目がまさに2カ所以上で働いている場合を想定しています。試験で注意したいのは移動前ではなく、移動先の事業所の労災が適用されるという点です。条文で問われると少しややこしいですが、要するに「厚生労働省令で定める就業の場所」ではなく「他の就業の場所」の労災保険が適用されるということになります。そして、3つ目の類型は単身赴任を想定しています。
まず足して合計を当てはめる
健康保険法と厚生年金保険法では保険料の計算のところで、2カ所以上で働いている労働者に関する規定が登場します。どちらも原則は、それぞれの事業所の報酬月額を合計して、それを標準報酬月額等級表に当てはめます。その後、それぞれの割合に応じて保険料を按分することになります。なお、保険料の負担は事業主が半額、被保険者が半額です。
ただし、注意したいのは例外。厚生年金で船舶に使用され、かつ同時に事業所で使用されている場合です。この場合は船舶所有者以外の事業主は保険料を負担せず、保険料を納付する義務を負いません。すなわち、船舶所有者が保険料の半額を負担し、保険料を納付する義務を負うことになります。
また、2以上の場合の届出は「10日以内」ということも一緒に押さえておくと一石二鳥です。健保では「2以上の事業所に使用される場合における保険者選択届」と「2以上の事業所勤務の届出」、厚年では「2以上の年金事務所の選択の届出」と「2以上の事業所勤務の届出」です。
次回は、修行計画に暗雲が立ち込めます。
(撮影:田代千代美)
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