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母は統合失調症、32歳女性の苛酷な過去と今 孤独をわかってくれる医師が支えだった

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  • 大塚 玲子 ノンフィクションライター
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いま、祐実さんのいちばんの悩みは、パートナーとの結婚や、子どもを持つことについてです。年齢的なリミットを考えると、早めに子どもをもちたい気持ちはありつつ、心配になることも。相手の親の反応も、気になるところです。

どうしようもない「普通」へのあこがれ

祐実さんは最近、みんなもう少し、想像力をもってほしいと感じることが多いそう。

「厳しい状況にある人に対して『自己責任だ』と言う人がよくいますよね。あれを見ると、『ああ、いいおうちでお育ちになったんですね』と思います。『あなたも、ものごころがついたときから15年間、統合失調症の親とふたり暮らしをしてごらんなさいよ』って。

あとは、テレビで一時保護所の子どもの様子を見て『かわいそうよね。まともな大人にならないのでは?』といった感想を、私の前で言う人もいますけれど、『あなたの目の前にいるのが、その施設にいた人ですよ』と(苦笑)。

『おまえ、統合失調症なんじゃないの?』とか『アスペルガーじゃない?』とか、簡単に言う人にも腹が立ちます。私自身、精神状態が悪かったこともあるし、集団生活になじめなかったりして生きづらさを感じていて、つねに『自分も何かの病気ではないか』という不安と闘っているので。

ちゃんと理解してほしいとは思わない。ただ、せめて『該当する人がいる可能性』を、もうちょっと知っておいてほしいです」

言っているほうは、悪気はないのでしょう。しかし聞かされるほうは、いたたまれないことがあります。知識や情報を持たない発言が誰かを傷つけてしまう可能性を、私たちは忘れずにいたいものです。

「大概のことにあきらめがついたいまでさえ、どうしようもなく、『普通』というものにあこがれるときがあるんです。たとえば、同世代の人が結婚して、子どもを産んで家庭をつくって、という姿をみると、そっちのほうが『普通』で、偉いように感じてしまう。どうしてでしょうね」

「普通」への、どうしようもないあこがれ――。ほかの人に対してだったら、「別に、普通じゃなくてもいいじゃない」と軽く言ってしまうところですが、これだけ過酷な状況を生き抜いてきた祐実さんに、それを言うことはできませんでした。

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