2014年にブレイクする「ゆるキャラ」は? 「ゆるキャラ」の競争は、ゆるくない

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それでも昨年のグランプリでは4位と、地元を中心にかなりの支持を集めただけに、今回のグランプリ優勝を機に、全国区でのさらなる知名度アップ、各種関連商品の増加などへの期待はいやが応なく高まっている。

昨今、若い世代を中心に、一見すると気持ち悪いがかわいらしさを感じてしまう、いわゆる「キモカワ」系のキャラクターが注目を集めている。ただ、今回グランプリの結果を見る限り、愛らしい表情や文字どおりゆるい動きの、幅広い世代に受けるようなキャラクターのほうが優勢だったという印象が強い。

その観点から見ると、「さのまる」はまさに条件ど真ん中に位置するキャラクター。しかし、これは裏返せば、似たようなキャラクターとの差別化を、どう図っていくかという課題を含んでいるということでもある。

キャラクターは乱立ぎみ、今後は活用の仕方も重要に

昨今、ゆるキャラの経済効果への期待感の高まりから、多くの自治体で、ゆるキャラを作って活用するという動きが進んでいる。たとえば、東洋経済調査(2012年3月時点)では、大阪市は区ごとに20、福岡市では部局ごとに33の公認キャラクターを持っていると回答しており、乱立気味という感も否めない。

激しく追い上げたが、惜しくも2位となった「出世大名家康くん」だが、昨年の7位からは大きく順位を上げた。来年こそ首位を奪取できるか

一方で、「さのまる」を含むトップ10にランクインしたキャラクターのうち、9体までが昨年のグランプリでも15位以内にあり、自治体の支援態勢、取り組み方、活用の仕方によって、その効果が大きな差となって現れてきている。

2014年のグランプリのチャンピオン獲得に向け、今回も涙をのんだ上位常連組を中心に、新興キャラクターも加わり、熾烈な競争がもう始まっている。

今回、投票の途中経過ではほかを大きく引き離し独走していながら、2位となった「出世大名家康くん」。今回のグランプリ前、自身のHPで、今回のグランプリで1位になれなかったときは、自慢のうなぎのちょんまげを落とし、「出世大名」から「出家大名」へと改名すると、その覚悟を示していた。ゆるキャラ界の競争は、決して「ゆるく」はないのだ。(2013年のグランプリ結果の詳細はこちら)  

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加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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