ゆるキャラの人気は年々高まっているが、その最大の要因は、「くまモン」の成功にある。熊本県のPRキャラクターで、現在は県の営業部長でもある「くまモン」は、11年の「ゆるキャラグランプリ」で1位を獲得。
その人気・知名度が全国区となったことで、「くまモン」のキャラクターを利用した商品の売上高は、2011年の25億円から12年は293億円へと急増した。
11月には蒲島郁夫熊本県知事に同行、米ハーバード大学などを訪れ、ついに「米国への本格進出」も果たした。
2012年グランプリ1位の「バリィさん」も、地元愛媛県今治市の観光大使、伊予観光大使としての活動を通じて全国へ浸透。関連商品数、売り上げともに増加している。
両者のほかにも、日本百貨店協会が主催した2013年の「ご当地キャラ総選挙」決勝大会で優勝した船橋市非公認キャラクターの「ふなっしー」なども、メディアへの露出が急増するなど、影響力は格段にアップしている。
さて、「さのまる」だが、実は、2011年2月の誕生から、まだ3年弱しか経っていない。地元の佐野市では10年度からの総合計画で、「観光立市の推進」をリーディングプロジェクトとして位置づけた。
そして、市民が誇りを持ち、来訪者の市内回遊促進と新規来訪者の獲得のため、地域ブランドづくりを目的とした「佐野市ブランド化推進基本計画」を策定。その中でブランドキャラクターとして、誕生したのが、「さのまる」だ。
世界を見据えた!? 「さのまる」
「佐野らーめん」のお椀の笠に、「いもフライ」の剣を持った、佐野の城下町に住む侍で、前髪は麺でできている。国内はもとより、世界に佐野の魅力をアピールするため、笠にはローマ字表記で「SANO」と書かれているところがポイントだ。
とはいえ、ここまでは人気、知名度ともに前述の先輩ウイナーたちには遠く及ばず、今年3月に佐野市が公表した観光に関する調査結果によると、2011年9月から12年8月までの1年間に佐野市を訪れた観光客のうち、「さのまる」グッズを買ったと答えた人はわずか1.4%にとどまっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら