ジョン・ハンケ、「ヒット連発リーダー」の秘密

「グーグルマップ」誕生の軌跡とは?

ジョン・ハンケ氏は何がすごいのか? (写真:Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)
旅行でも、仕事のアポでも、新しい場所を訪れる時はグーグルマップを使って道順や到着予定時刻を調べる人は多いだろう。『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』は、グーグルマップの前身となるサービスを作ったキーホールの誕生から、現在のグーグルマップに至るまでの軌跡を描く

2016年7月、ゲームアプリ「ポケモンGO」がローンチし、世界的な大ヒットを記録した。今でも週末には、公園や駅前の広場に大勢の人が集まってポケモンを捕まえようとしているのを見掛けることがある。ポケモンGOの運営元、ナイアンティックの代表を務めるのはテキサス州出身のジョン・ハンケ氏だ。彼のことはポケモンGOの制作者として知っていても、それまでの経歴について知っている人は多くないかもしれない。

ジョン・ハンケにとってナイアンティックが初めて設立した会社ではない。ナイアンティックは3社目だ。初めての起業は、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスの在学中に立ち上げたインターネットゲームの会社だった。これは、その後事業売却している。2社目は、イントリンシックという別のスタートアップからスピンアウトする形で創業したキーホールだった。キーホールでは「地球の3Dモデルを世界に届ける」ことを目指し、ユーザーが衛星写真で自分の住む地域や家の様子が自由に見られるサービス「アースビューア」を制作した。

そして2004年、グーグルがこのキーホールを3000万ドルで買収する。グーグルに加入後、キーホールのメンバーが中心となって地図サービスを作り上げた。それがグーグルマップだった。ジョンはグーグルの地図関連サービスを統括するジオ部門のリーダーとして手腕を発揮し、グーグルマップを月間10億人以上の人が使う地図サービスへと成長させる。ナイアンティックを創業したのは2010年、グーグルで得た地図での知見を生かして、人々が外で楽しめるゲームを作るためだった。

ストイックなビジョナリー

こうしてジョン・ハンケの経歴を書き連ねてみると、数々のヒットサービスを作り出していることにも驚くが、同時にこれまで、その実績がさほど知られてこなかったことも不思議に思う。ジョン・ハンケは、いわゆるIT起業家と言われてぱっと思い浮かぶ、たとえばアップルのスティーブ・ジョブズやテスラモーターズのCEOであるイーロン・マスクのような派手なタイプの人物ではないのが、その理由の1つかもしれない。

本書でもスティーブ・ジョブズが最初のiPhoneの製品発表で、グーグルマップを使った華々しいパフォーマンスをした時の様子を描いているが、それに対しジョン・ハンケのエピソードで印象的だったのは、苦しいときもめげずに取り組み、いつでも1つの成果に満足することなくストイックに挑戦を続ける姿だった。メンバーからは信頼され、慕われるリーダーでもあった。こうしたことは外から見えるものではないが、それこそがキーホール、ひいてはナイアンティックを成功に導いてきたリーダーの素質なのではないかと思う。

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