カジノが日本の国際競争力を高める根本理由

明暗を分ける中国人富裕層の取り込み

「ギャンブル」のイメージが強いカジノの実態とは(写真:makoto.h/PIXTA)

私は6年前から、マカオにあるカジノで、エージェントとして働いています。仕事は、富裕層に向けた「VIPルーム」にお客様をお連れし、カジノまでのアテンドはもちろん、マカオ滞在時の宿泊から飲食、遊びまで、あらゆることに配慮することです。この度上梓した『カジノエージェントが見た天国と地獄』で、日本人にはほとんど知られていないカジノの実態を報告させていただきました。

以前は、カジノは日本人にはあまり馴染みのないものでしたが、「カジノ法案」の可決により日本でもその存在がここ数年注目され始めました。一方で、現在日本で議論されている「カジノ」と、現実にある「カジノ」には、やや乖離があるような気がしてなりません。

現在、日本のカジノ建設に対して賛否両論がありますが、マカオのカジノの現場を最前線で見てきた身としては、カジノの存在は、日本の国際競争力を高めるための大きな足掛かりになるのではないかと感じています。

マカオのカジノ売り上げは年間3兆~4兆円

その最大の理由は、カジノから生まれる莫大な収益にあります。世田谷区ほどの面積しかなく人口も62万人ほどしかいないマカオですが、現在、カジノの年間売り上げは、マカオ政府の統計によると3兆~4兆円。その売り上げの50%以上を占めるのが、富裕層向けのVIPルームだと言われています。

カジノにはカジノ会社が運営する誰でも入れる一般フロアと、富裕層向けのカジノフロアであるVIPルームが存在します。後者は、ジャンケットと呼ばれる仲介組織が運営しており、1ゲームに1000万円単位まで賭けられるような、高額のレート(賭け金)でゲームを楽しむことができます。

現在、マカオにはカジノ会社とは100社近いジャンケットが存在しているのですが、私が所属するのはサンシティグループ(太陽城集団)と呼ばれるマカオ最大のジャンケットグループです。ジャンケットはカジノのフロアを複数借りて、独自のレートでVIPルームを運営しています。

ただ、VIPルームは誰でも入ることができるわけではありません。VIPルームのメンバーになるには、まず最低でも10万香港ドル(約140万円)のデポジット(保証金)をジャンケットに預ける必要があります。ただ、その金額はあくまで最低ライン。VIPルームでは、一番少額のチップでも1枚1万香港ドル(約14万円)するので、1度の滞在で1億円近く遊んでいく人が大半です。

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