カジノが日本の国際競争力を高める根本理由 明暗を分ける中国人富裕層の取り込み

次に懸念されるのが治安の悪化です。これは国自体の方針にもよりますがマカオでは、カジノを含む総合リゾートの併設により、多くの雇用が生まれ、経済的には上向きになりました。マカオ保安庁の統計によると、近年は犯罪率も低下しています。

そして、最大のデメリットとしてよく議論にあがるのが、ギャンブル依存症でしょう。現時点でパチンコや競馬などに依存する日本人が多々いる現状では、カジノのように刺激の強いギャンブルにどっぷりはまってしまう人が増えるのは必然だと思います。ただ、カジノ入場には身分証明書の提示が求められています。

対策法として、マイナンバーで把握している資産内の何％を超えたらカジノ入場を認めるなど防止策はあるように思います。実際、マカオでは近年は政府側が依存症へのメンタルケア等を積極的に導入しており、かなり改善がみられています。

また「破産者が増えるのでは」との声も聞かれますが、カジノでは基本的には資金力のない人は遊ぶことができません。以前、マカオ人の別のカジノエージェントと話をしているとき、「日本人は心配しすぎだ。カジノで破産するほどお金を貸してもらえるのは、相当な金持ちじゃないとありえない」という話が出たほどです。

たとえば、カジノのVIPルームではお客様からのお金をとりっぱぐれることがないように、VIPのメンバーになっていただく前には、そのお客様の信用情報をきちんと確認します。よほどの大企業の社長や資産家でない限りは、大金を貸してもらえることはありません。

懸念するのは「カジノ投資詐欺」

個人的に、近年気になっているのが、「カジノ投資詐欺」が増えることです。以前から「カジノのVIPルームを運営するので投資をしないか」「カジノのコインリースをやらないか」などというカジノ関連の投資話が一定数存在していました。ここ数年は、日本国内でカジノへの関心が高まっていることもあり、より一層これら投資話が増えているように思います。