4月3日、与党IR実施法に関するワーキングチーム(WT)第6回が開催され、重要論点の11項目すべてが合意に至った。これを受けて、政府は、IR実施法案を国会に提出し、与党である自民党、公明党は今国会での法案成立を目指すことになった。
政府のIR実施法案の策定プロセスを示した。政府のIR検討作業は、2014年7月の内閣官房のIR調査・検討チーム設置が起点。ただし、公式なIR実施法案の策定作業は、2016年12月のIR推進法の施行でスタートした。IR推進法は、「必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない」と定めている。
政府は、IR推進法に則り、当初は2017年内のIR実施法案の国会提出も視野に入れていたが、2017年10月の衆院解散総選挙の実施などを背景に、2018年通常国会に提出を持ち越した経緯がある。
IR実施法案の策定プロセスを丁寧に遂行
政府は、「カジノ解禁」に批判的なメディアの論調や世論に配慮し、丁寧なIR実施法案の策定プロセスを遂行した。まず、2017年4月に安倍首相を本部長とするIR推進本部、および、IR推進本部事務局(IR関係性がある各省庁からの出向者で構成)を設置。IR推進本部は、有識者委員会「IR推進会議」を設置し、IR実施法案の方向性を「取りまとめ」た。
IR推進本部は、8月に国民的議論を喚起するため、「取りまとめ」について、公聴会、パブリックコメントを実施。2018年2月、IR推進本部は、与党に対して、政治判断を要する重要論点11項目の政府案を提示。これを受けて、自民党、公明党がそれぞれ意見をまとめ、両党合同の与党IR実施法に関するWTで合意を形成したわけだ。
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