まず、重要論点11項目の合意結果を以下に紹介する。
・「カジノ施設規模」は、IR施設の延床面積の3%以下に制限する
・「入場回数制限」は、7日間に3回、28日間で10回とする
・「本人・入場回数確認手段」は、マイナンバーカードを活用する
・「入場料」は、1回あたり6000円とする
・「納付金率」はグロス・ゲーミング・レベニュー(ハウス勝ち分)の30%の定率とする
・「カジノ管理委員会」は、5人の委員、国会同意人事など
・「IR区域認定数」は、3カ所を上限として法定する
・「区域認定数の見直しの時期」は最初の区域認定から7年経過後とする
・「中核施設の要件・基準」は、我が国を代表することとなる規模等を政令等で規定する
・「立地市町村との関係」は、認定申請する自治体(都道府県または政令指定市)では行政同意と議会議決、立地市町村は行政同意を要件とする
・「開業までのプロセス」は、早期かつ手続きの確実性を確保。申請・認定のプロセスを2回行うことを検討する
意見が分かれたのは?
これら11項目のなかでも、自民党案、公明党案の意見が分かれ、関係者の関心が高かったのは、「カジノ施設規模」「入場回数制限」「入場料」「納付金率」「IR区域認定数」「中核施設の要件・基準」の6項目であった。
最初から4つの項目は、カジノ事業収益に直接の影響を与える項目。最後の2つの項目は、地方部におけるIRの設置可能性に大きな影響を与える。
それぞれ、誘致自治体、IR事業への参画を検討する国内企業、海外IR事業者などが、神経をとがらせ、国会議員に積極的にロビーイング、意見具申を行った。
与党協議で、自民党が重視したスタンスは、(1)地方にIRの可能性を開くべき、(2)IRの国際競争力、事業性、投資環境の視点、であった。これに対して、公明党は、カジノに対する慎重スタンスを前面にアピールする展開となった。
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