日本版カジノ、なぜこうも時間が掛かるのか プロセスを効率化する工夫の余地がある

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
今後の区域認定や開業の時期はどうなるのだろうか(写真:baona / iStock)

4月3日、自民党と公明党はカジノを含む「IR(統合リゾート)実施法案」に関する重要論点の11項目すべてにおいて合意に至った(前回記事参照)。これを受けて、政府はIR実施法案を国会に提出し、今国会での成立を目指すことになった。

では、今国会でIR実施法が成立したとして、今後の区域認定や開業の時期はどうなるのだろうか。タイムラインには流動的な要素があるが、現在議論されていることを概観していこう。

「2サイクルの実施」を検討

4月3日の与党合意は、政府の区域認定について、2サイクルの実施を検討するとした。2サイクルの場合、IR実施法が6月に成立することを前提とすれば、第1サイクルの区域認定(自治体、IR事業者の決定)は2021年、IR開業は2024年と予想される。

第2サイクルの区域認定は2023年、IR開業は2026年以降と予想される。区域認定数は3カ所(上限)であり、第1サイクルに1~2カ所、第2サイクルに1~2カ所となる見通しだ。

与党合意の前、2018年2月に政府が与党に提示した開業までのプロセス案は、途中のプロセスに要する期間を決めたうえで、区域認定時期が2023年前後になることを示唆していた。これに対して、自民党は、スピードアップを要請。また、公明党も開業までに要する期間を何年と決めるべきではないと主張した。

その結果、「開業までのプロセス」の与党合意は、「地方自治体における準備状況を踏まえ、早期に日本型IRの効果を発現させるとともに、地元での合意形成等の手続きを確実に行う観点から、法定されるIR区域認定数の上限の下で、申請・認定のプロセスを2回行うことを検討する」に落ち着いた。

次ページ大阪府と大阪市の構想は?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事